「誇り」の意味とは?
「誇り」の使い方と例文
「誇り」は、自信を持っていることを周囲に堂々と示すような時に使います。ただし、「誇り」を持った気持ちが行き過ぎると眉を潜められることもあります。ポジティブもしくはネガティブに使われるそれぞれの例を紹介します。
ポジティブな意味で使う
日頃から自身の持つ能力や実力を信じ、置かれた状況や立場を自覚している人もいます。「誇り」という語を使い、そのような人が状況にふさわしい言動や態度でいる様子を表せます。さらに、その立派な振る舞いや実力に見合う努力を心がけているさまを褒めることもできますね。
【例文】
ネガティブな意味で使う
ネガティブな意味で「誇り」と表現する場合、実力を過信して思い上がって得意になっているさまを言うこともあります。また、家族などの親しい人が優れていることを、自分の手柄のように自慢気にしている場合にも使うことがあります。
逆に、「誇りがない」と否定や打ち消しの言葉を後に続けることにより、他の人から見て「人としての大事な気持ち」が感じられない状態をなじったり、考えを改めさせようとしたりする際に使う場合もあります。
【例文】
「誇り」の類語
矜持/矜恃
「矜持/矜恃」(きょうじ・慣用読みで「きんじ」とも読む)は、優れた自分の力、才能などを信じることです。ポジティブな意味で使う「誇り」と似ています。
「矜」は「ほこる」、「恃」は「自負する(自信と誇りを持つ)」、「持」は「たもつ」「もつ」といった意味があります。「矜恃」は、似た意味の漢字を重ねて強調した熟語であり、「矜持」は、「誇りを保つ」という意味の熟語です。
【例文】
- 東京ヤクルトスワローズの村上宗隆選手には、四番打者としての矜持が感じられる。
- 横綱には頂点に立っているという矜持があるようだ。
自負心
「自負心」(じふしん)とは、自分の才能や能力(学問や仕事など)に自信や誇りを持つ気持ちのことを言います。「自負」で、才能などに自信を持って誇ること、「心」はこの場合、心情や気持ちという意味で使います。
【例文】
- 彼は自負心が強く、皆を引っ張る中心的な存在だ。
- 経理の〇〇さんはベテランで、社内のお金の動きに最も詳しいという自負心があるようだ。
「誇り」のネガティブな使い方に近い類語
慢心
「慢心」(まんしん)とは、図に乗って思い上がること、おごり高ぶった心のことです。「誇り」は、自分の力を優れているとして自慢に思うことです。その状態が強くなり自分を過信している状態と、「慢心」している状況はよく似ています。
【例文】
- 社長はあんなに謙虚な人だったのに、度重なる成功ですっかり慢心してしまったね。
- 上手く行っている時ほど、慢心せずに自重しなくてはね。
うぬぼれ
「うぬぼれ」(漢字表記:自惚れ/己惚れ)は、自分のことを必要以上に優れていると思い込んでいること、実力以上だと考えて自慢に思うことです。
この場合は「自」も「己」も、自分自身を表す「おのれ」「みずから」という意味で、「惚」は「ほれる」「うっとりする」といった意味です。自分の持つ能力などが優れていてほれぼれしているような気持ちでいる様子を表しています。
【例文】
- その他大勢のうちの1人のくせに、彼は自惚れもはなはだしいな。
- 彼女は己惚れが強く、フルートのコンクールで金賞を取れないのはおかしいと不満を言っているそうだ。