「反感」とは?
「反感」(はんかん)とは、相手の存在、またはその言動や振る舞いなどに賛成や納得ができずに、不快感を露わにして従わない気持ちを態度に出すこと、受け入れる気持ちがなく対抗することをいいます。
「反感」の「反」は、相手に背いたり、逆らったりする態度を表し、「感」は心の動きやその時に受けた気持ちのことです。相手のやることを認めることなく嫌い抜く気持ちを表しています。
「反感」の使い方
「反感」は人に対して強く嫌う気持ちを表す言葉です。かなりネガティブな感情で、単に嫌いというだけでなく、相手へ実際に対決する姿勢を出す強い憎しみの気持ちまで感じさせる傾向があります。
「反感」を持つ場合、互いに嫌いあっている、どちらかが一方的に言い聞かせようとしたり、力でねじ伏せようとしたりして憎まれる、劣等感を持ちつつ対抗する、といった態度として現れることがあります。
主な使い方のかたちとしては、「反感を買う」「反感を持たれる」「反感を食らう」(相手から反抗心を持たれる)、「反感を抱く」「反感を覚える」(自分が相手に反抗する気持ちを持つ)などがあります。
「反感」の例文
- 部活で後輩に注意したら、反感を買ってしまったようでいちいち嫌味ったらしい態度を取る。
- 先生の言うことに対して詳しい説明を求めたら、反感を抱いていると思われたようだ。
- 反感を持つ理由を教えてと言われても、生理的に嫌いなので説明のしようがない。
- 彼は何でもできる秀才なのかもしれないが、いちいち態度が鼻に付き反感を覚える。
「反感」の類語
敵愾心
「敵愾心」(てきがいしん)は、敵と見た相手と徹底的に張り合って負かしてやろうという気持ちをいいます。相手を受け入れる気はさらさらなく、「反感」のように徹底的に対抗する姿勢に通じるところがありますね。
なお、「愾」には「憤る」や「恨む」などの字義があり、相手に対する強い憎しみを表しています。
【例文】
- 彼の敵愾心を煽って、Aさんをこてんぱんにやっつけさせるように仕向けた。
- 私の発言が原因で、Bくんは敵愾心を持ってしまったらしい。
目の敵
「目の敵」(めのかたき)とは、許せない人だと考えてことあるごとに敵対することです。「視界の中に入るだけで気分が悪い相手(敵)」とでもいうべき表現ですね。
自分が相手を敵対視する場合は「目の敵にする」、逆に相手から敵と認定され対立を仕掛けられる場合は「目の敵にされる」という使い方をします。
【例文】
- 近くをうろついている野良猫は、近所の悪ガキに目の敵にされ、しょっちゅう追いかけ回されている。
- Cさんは息子さんの奥さんを目の敵にして、何かにつけていびっている。
「反感」の反対に近い意味を持つ語
好感
「好感」(こうかん)は、人に対して良い印象を与えること、好ましい人物だと感じられることです。ポジティブな言葉で、相手に良い感情を持ったり、人柄や印象などを褒めたりする時に使われます。「反感」のような相手を受け入れられない否定的な感情とは、全く異なります。
使用例として、「好感を抱く」「好感を持つ」「好感を与える」などが挙げられます。
【例文】
- 誠実で優しく話す彼に好感を抱いた。
- Eさんの明るく人の意見を尊重する態度に好感を持った。
共感
「共感」(きょうかん)は、他の人の意見や行動の仕方に「全くその通りだ」と同意する、もしくは、同じような感情を抱いて納得がいく気持ちを表します。「反感」のように言動や振る舞いに納得がいかず、相手を嫌う気持ちを隠せないこととは真逆に近いですね。
使用例として、「共感を覚える」「共感を呼ぶ」などがあります。
【例文】
- 彼の主義主張に共感を抱き、投票することにした。
- 新型の流行病に罹患した人を「差別しないようにしましょう」という意見は、多くの人の共感を呼んだ。