「成功」とは?意味や使い方を類語も含めてご紹介

「成功」は、(せいこう)と読めば、現代の日本語で使われる「成し遂げる」という意味になり、類語も多々存在します。一方、(しょうごう)と読む場合は、昔の日本語で売官制度を意味します。今回は、「成功」の意味と使い方を類語も含めて紹介します。

目次

  1. 「成功」とは?
  2. 「成功」の使い方
  3. 「成功」を含む慣用句
  4. 「成功」の類語

「成功」とは?

現代の日本語における「成功」は、(せいこう)と読みます。意味は、大きくわけて下記の二つです。

  1. 物事を意図したとおりに成し遂げること。目的をはたすこと、またはその成果。
  2. 物事や事業をうまく成し遂げて社会的地位・名声・富などを得ること。

「成功」を(じょうごう)と読む場合は、古語で、平安時代中期の売官制度を指します。この制度は、私財を朝廷に投じ、宮殿や寺を造ることなどを支援した者に官職や位を授けるというものです。

今回は、現代で用いられている「成功」(せいこう)について解説します。

「成」「功」の字義

「成功」において、「成」の字は、なすことなしとげることを表します。また、「功」は、優れた仕事手柄という意味です。

「成功」の使い方

1の意味「成功」は、目標や目的が明らかにされている場合、成功したか否かの答えは簡単にわかります。一方、2の「成功」の測り方は曖昧です。他者から見たら「成功」でも当人にとっては失敗である場合も、その逆の場合もあるからです。

例えば、一般的にオリンピックでの銀メダル獲得は「成功」ですが、本人が金メダルしか眼中にないならば失敗です。「成功」という言葉を使う際は、主観か客観かが伝わる文脈であれば、文意をより正確に表現できるでしょう。

「成功」の例文

<1の意味>

  • 美容師のA君は10年以内に自分の店を二店舗持つと決意し、見事に成功した。
  • イベントが成功したので、打ち上げパーティーは大いに盛り上がった。

<2の意味>
  • B社長は、他者からは成功者と見なされているが、本人はストレスから退任を模索している。
  • 成功がもたらすポジティブな喜びが次の成功への架け橋となることが多い。

「成功」を含む慣用句

成功裏/成功裡

成功裏(せいこうり)は、物事が成功した状態にあること、成功といえる状態のうちになどの意味をもちます。「成功裡と書くこともありますが、「成功裏」の表記が一般的です。

「成功裏」単体で使われることはなく、「成功裏のうちに~」「成功裏に~」などの言い回しで用いられます。

【例文】

  • 新製品のプロモーション・イベントは、成功裏のうちに幕を閉じた。
  • 人事についての交渉は、成功裏に進んでいる。
  • 起死回生をかけた転職活動は、成功裏に終わった。

成功体験

「成功体験」(せいこうたいけん)は、文字通りに、過去に成功した体験を意味する言葉です。自己啓発などのジャンルでよく使われる用語で、目標を達成する・苦手を克服する・苦労が報われることなどを指します。

【例文】

  • 成功体験を重ねることで、人は自分への信頼を育んでゆく。
  • 面接などで成功体験について質問を受けた。

「成功」の類語

奏功

奏功(そうこう)とは功を奏すること、つまり、目標どおりの成果があがること達成があること仕事により功績をあげること効き目があらわれることなどを指します。

「奏功」は目標への戦略や作戦、努力などを前提として使うので、多くの場合、それらは文章中で明らかにされます。また、「奏功する」という動詞形で用いられることがほとんどです。

【例文】

  • トレーニングのメニュー変更が奏功し、母校は甲子園への出場をはたした。
  • C家の人々は、様々な困難を乗り越えた経験が奏功し、結果として幸せな人生を送った。

目標を達成することを表す言葉には、このほかに、成就(じょうじゅ)・完遂(かんすい)などがあります。

繁栄

繁栄(はんえい)は、ゆたかに栄えること、栄えて発展することを意味する言葉です。「成功」は、おもに個人の発展や名声などの獲得に用いられます。それに対して、「繁栄」は一族・家や地域・国家・産業などの大きなくくりを対象とすることがほとんどです。

【例文】

  • 藤原一族は、藤原道長や頼道の時代にめざましい繁栄をみた。
  • エネルギー産業の繁栄は、石炭、石油、原子力など、時代によって変遷してきた。

栄えて発展すること、勢いが盛んになることを意味する言葉には、このほかに、興隆(こうりゅう)・盛況(せいきょう)などがあります。


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