「品格」とは?
「品格(ひんかく)」とは、人や物などに備わっていて、その人や物から感じることのできる品の良さや気高さのことです。人にも物にも使われる言葉で、人に使われるときは身分や格式を、物に使われるときは品物の良さや品質を表すこともあります。
「品格」使い方
- この春、役員に抜擢された佐藤さんは、いつまでも若手社員の気分が抜けず、立ち居振る舞いが軽薄だと言われている。はやく役員としてふさわしい品格を身につけてもらいたいものだ。
- 先代の後を継ぎ、老舗旅館の女将となったが、本人の努力もあって女将にふさわしい品格が備わってきた。
- 祖父の形見にもらった懐中時計は、戦前に作られたものらしい品格のある時計で、見ているだけで満ち足りた気持ちになる。
「品格」とユーキャン新語・流行語大賞
「品格」は、2006(平成18)年の、ユーキャン新語・流行語大賞に選ばれています。数学者の藤原正彦さんの著書『国家の品格』から、「品格」という言葉が広まりました。
なお、この年の大賞は「品格」と「イナバウアー」で、その他トップ10には次の言葉が選ばれています。
- 格差社会
- エロカッコイイ
- シンジラレナ~イ
- たらこ・たらこ・たらこ
- 脳トレ
- メタボリックシンドローム
- ハンカチ王子
- mixi
「品格」の類語
「品位」
「品格」の類語に、「品位(ひんい)」があります。「鉱物中の金属の含有量の割合」などの意味もありますが、「品格」の類語としての意味は次の通りです。
- 気高く、尊敬に値する、その人に備わった徳のこと。人徳(じんとく)。
- 礼儀や節度を備えた個人や団体などのようす。
【例文】
- A議員は、出自の良さを鼻にかけているが、その言動は本人や一族の品位を落としている。
- 作家のB氏は、ベストセラーを連発しているが、その文章には品位が感じられない。
「品位」の維持が義務となっている職業
ある種の身分や地位、職業には、法律によって、「品位を保つこと」や「品位を損なわないこと」が義務づけられているものがあります。一例をあげると以下の通りです。
- 皇族:皇室経済法
- 医師:医師法
- 自衛隊の隊員:自衛隊法
- 弁護士:弁護士法
- 公認会計士:公認会計士法
- 宅地建物取引士:宅地建物取引業法
- 建築士:建築士法
- 税理士:税理士法
「品位」以外の類語
「品位」以外にも、次のような言葉が「品格」の類語として挙げられます。
- 品(ひん):人柄
- 気品(きひん):どこなく感じられる上品な感じ
- 威厳(いげん):近寄りがたい堂々としたようす
- 面目(めんぼく、めんもく):対面、世間の評価
- 貫禄(かんろく):身に備わった風格や威厳
「品格」を使った本、ドラマ
『国家の品格』のヒット以降、「品格」という言葉がタイトルに入った本はブームとなり、たくさんの本が出版されました。また、「品格」という言葉が入ったドラマもあります。その中からいくつか紹介します。
国家の品格
『国家の品格』は、「品格」ブームのきっかけになった本です。2005年11月に出版され、ミリオンセラーとなりました。数学者・藤原正彦さんの講演内容をまとめたもので、グローバリズムなどを否定し、日本の「国家の品格」を重んじることを説いています。
女性の品格
『女性の品格 装いから生き方まで』は、2006年9月に出版され、ミリオンセラーになりました。著者の坂東眞理子さんは、官僚を経て昭和女子大学総長を務めた女性です。ビジネスから恋愛、話し方や装いまで、女性の振舞い方を説いています。『親の品格』という続編もあります。
ハケンの品格
『ハケンの品格』は、2007年に放送された「品格ブーム」にあやかったテレビドラマです。中園ミホさんの脚本で、篠原涼子さんが演じる特Aランクの”スーパーハケン”大前春子の活躍を描き、高い評価を受けました。平均視聴率も20.2%と高い視聴率となっています。