「不満」とは
「不満(ふまん)」とは、物事が思い通りにならず、イライラ・うつうつとした不快な気持ちが心の中でくすぶっていること、心が満たされないという気持ちのことです。
思い通りにならないとか、心が満たされないというのは、個人的な価値観や感情に基づくものですから、「不満」の対象は、世の中のすべての物事に当てはまると言ってもいいのではないでしょうか。
使い方の項目では、すべての物事を例示することはできませんので、よくある「不満」の例をいくつかご紹介します。
「不満」の使い方
ビジネスシーン
仕事上の人間関係や仕事内容、待遇などに関して生じるストレスが、「不満」の原因になることがあります。
【例文】
- 彼は、長く研究職で頑張ってきたのに、慣れない営業職に異動になったことに不満を感じている。
- プロジェクトの概略は決まったものの、個人的に不満な点がいくつかある。
- ろくに仕事もせず、不平不満ばかり言う社員がいると周りのモチベーションが下がってしまう。
家庭生活
家庭生活においても「不満」は、たくさんあります。夫婦、親子、兄弟姉妹など、お互いに持っている「不満」が、少なからずあるのではないでしょうか。
【例文】
- 共働きで家事の分担を約束したのに、夫は疲れていると言ってちっとも家事をしないのが不満です。
- あの子はいつもお姉ちゃんのお下がりばっかりで、不満を持っているから、たまには新しい服買ってあげよう。
- 親父は酒を飲むといつも訳のわからない愚痴を言ってる。何が不満なのかわからないけど、聞かされる身にもなってほしいよ。
街中で
街中では、見知らぬ人とすれ違ったり、時には出会いがありますが、そのような刹那的な出来事の中にも「不満」の種は隠れています。
【例文】
車の運転中
自動車の運転中などにも、乱暴な運転や渋滞など「不満」はいろいろあります。もちろん、歩行者にも「不満」はありますね。
【例文】
- 渋滞でノロノロ運転していると不満が溜まってくる。思いっきりスピードを出して走りたい。
- 横断歩道で手を挙げているのに車が止まらないことに不満を抱いた人が車に石を投げて逮捕されたというニュースがあった。
その他の不満
- 何が不満なんだか、朝から妻の機嫌が悪い。
- 外出自粛でみんな欲求不満になっている。
- 誕生日プレゼントに、彼女は不満顔だった。
- 久しぶりの新作だったが、読者には不満だったようであまり売れていない。
「不満」の類語
「文句」
「文句(もんく)」は、相手の言動や物事に対する否定的な言い分のことです。筋の通った苦情というよりは、気に入らない、納得できないといった感情的な言い分に偏っていることが多いと言えますので、「文句」も「不満」の一種と言うことができます。
【例文】
- 電車が遅れていることに対して、駅員に文句を言う客がいた。
- 彼は気に入らないことがあると、何にでも文句をつけるので付き合いにくい。
「苦情」
「苦情(くじょう)」は、本来、苦しい事情や困った事情のことですが、転じて、他からの迷惑行為や不利益に対する不平や不満のことです。「クレーム(claim)」とも言います。
「クレーム」は、本来、売買などで契約違反があった時に損害賠償を請求することですが、そこから、「苦情」と同じ意味の言葉として使われています。
【例文】
- ユーザーから製品の不具合に対する苦情が殺到し、リコールすることになった。
- 夜間公園で騒いでいる人間がいると市役所に苦情の電話がかかってきた。
「愚痴」
「愚痴(ぐち)」は、言ってもどうしようもないことに対して、不平や不満を言って嘆くことです。「愚痴」も理屈ではなく、感情的なものです。また、愚かで物の道理がわからないことという仏教用語としての意味もあります。
「文句」のように相手に対して積極的に言うようなものではなく、「愚痴をこぼす」という慣用句があるように、誰に話すわけでもなく、つぶやくように不平不満を漏らしている時に使います。
【例文】
- あいつ最近落ち込んでいるようだから、一杯誘って愚痴を聞いてやろう。
- 息子は、月に一度のペースで実家に来て、たっぷり愚痴をこぼして、すっきりした気分で帰って行く。