「出来事」とは
「出来事」とは社会や自分の身の回りで起こった色々な事です。大きさや善悪は無関係で、国を揺るがすような一大事から個人的で些細なことにまで幅広く用いられます。
大抵のことに使える便利な言葉ですが、特によく使われるのは日常的でありふれた事柄に対してです。人々の注目を集めるような、規模の大きな問題に対しては「出来事」よりも類語の「事件」が好まれます。
「出来事」の使い方
- 今年起きた一番大きな出来事は何だっただろうか?
- 私はまだ状況がよくわからないのだが、一連の出来事についてかいつまんで話してくれないだろうか?
- それは、誰もが経験したことのある、ほんの些細な出来事がきっかけだった。
「出来事」の類語
事件
「出来事」に最もよく似た言葉が「事件」です。「出来事」の中でも特に人々の話題にのぼるような、問題になるようなもののことです。法律分野では行政手続きのことを指す専門用語でもあります。
ミステリー小説には殺人事件を取り上げたものが多いですよね。殺人に限らずミステリーでは「事件」と「事故」は厳密に区別されます。人為的に起こされた犯罪行為で、犯人がいるものが「事件」です。
事故
「事件」の対になる言葉が「事故」です。これも「出来事」の中に含まれます。「事件」と同じく、人々の関心を引く問題です。
ただし、「事件」とは違い誰かが故意に引き起こしたものではありません。偶然起きてしまったこと、意図せずして発生した問題を指します。悪いことをしたときに「あれは事故だったんだよ、わざとじゃない。」なんて言い訳しますよね?
事態
「事態」は物事の状況や様子です。物事の状態なので、略して「事態」です。「出来事」よりは「局面」により近い言葉と言えます。緊急事態や非常事態という形で使われるように、悪いことや良くないことが起きることに用いられます。
その他
この他にも「出来事」の類語はいくつかあります。たとえば「事象」や「現象」です。どちらも人間が感じることができる表面化した特徴のことです。
「現象」の方が幅広く、自然や人が起こした「出来事」のうち観察できることに使います。「事象」も観察可能な事柄ですが、オーロラやダイアモンドダストのような自然界の事柄には用いません。
「出来事」の英語と使い分け
「event」と「incident」
「出来事」の英語訳として一般的なのが「event」と「incident」です。どちらも日本語になっていますね。
「event」は注目を集めるような、大きな「出来事」のことです。一方、「incident」はどちらかと言えばやや小さめの「出来事」です。
また、善悪でも区別されます。「event」はどちらでも使えますが、「incident」は悪いことや異常なことに使います。日本でも情報セキュリティ分野などで使われている通りの意味です。
その他
「出来事」という意味の英単語は他にもあります。主なものを列挙します。
- happening(起きたこと全般。)
- occurrence(起きたこと全般。出現や発生など一瞬を表すことも。)
- accident(悪い出来事。)
- episode(話の一部になる出来事。挿話。)
- story(物語の主題になるような出来事。)
「出来事」の由来
ところで、皆さんは「できる」を漢字で書けますか?ほとんどの方がご存じのように「出来る」と書きます。「出来る」と「出来事」、似ていますね。それも当然、この2つは同じ由来の言葉だと言われています。
「出来る」は昔、「でくる」と読んでいました。新しいものが現れる、でてくるという意味です。発生したこと、でてきたことだから「出来事」というわけです。