「受動的」とは?
「受動的(じゅどうてき)」は、名詞の「受動」に接尾辞「的」がついたもので、次のような意味の言葉です。
「受動的」の類義語に、「消極的」があります。ただし、「受動的」は、受け身であっても行動しますが、「消極的」は、自分からは行わない、否定的であるというニュアンスを伴います。
「受動的」を英語で表現すると、「passive」になります。「passive knowledge(受動的な知識)」のように使われます。
「受動的」使い方
- 大きな教室での授業は、ただ教師からの講義を受けるだけの受動的な学習になりがちだが、それでも学生が積極的に関わっていく方法はあるように思う。
- 新入社員のころは、目立たないようにとにかく受動的な態度だったAさんだが、入社して3年が経った今では、自分から積極的に物事に取り組む頼れる社員になった。
- 暇だからと言って、受動的にテレビを見ているだけでは良くないよ。
「受動的」対義語:「能動的」
「能動的」とは?
「能動的(のうどうてき)」とは、自分で考え、進んで行動し、他者に働きかける様子を表す言葉です。「能動的」の類義語は、「積極的」ですが、こちらは「消極的」と対義語の関係に立ちます。なお、英語では、「active」と表現されます。
「能動的」使い方
「能動的」の類義語
「能動的」の主な類義語には、次の2つがあります。
- 積極的(せっきょくてき):物事を進んで行う様子。
- 自発的(じはつてき):物事を自分から進んで行う様子。
「能動的」を含め、どの言葉も、他者からの働きかけによらずに自分から進んで物事を行う様子を表す言葉です。
ですが、「自発的」は、「他者からの働きかけがなくても自分から進んで」という意味が強く、「積極的」と「能動的」は、「他者からの働きかけに関わらず」というニュアンスの違いがあります。
「受動的攻撃性」とは?
「受動的」が使われている言葉に、「受動的攻撃性(じゅどうてきこうげきせい):passive aggressive」というものがあります。
「受動的攻撃性」は、自分が感じている怒りや不満などを直接相手にぶつけることをしないで、消極的・否定的な行動を取ることで相手を攻撃しようとする心理のことを言います。
もとはアメリカの軍隊で使われていた言葉で、間接的に反抗の気持ちを表そうとするものです。本人が意識していることも、意識していないこともあります。
「受動的攻撃行動」とは?
「受動的攻撃行動(じゅどうてきこうげきこうどう)」とは、「受動的攻撃性」が行動に現れたものです。英語では、「passive aggressive behavior(パッシブ・アグレッシブ・ビヘイビア)」と表現されます。
代表的な「受動的攻撃行動」には、次の3つがあります。それぞれの行動で、相手を消極的に攻撃しようとしています。
- 緘黙(かんもく)/無視:黙り、しゃべらないこと。
- サボタージュ:仕事を怠けたり、意識的に遅らせたりすること。
- 抑うつ状態(よくうつじょうたい):落ち込んだ気分になり、活動を行わなくなること。
「受動的攻撃性」への対処方法
このような受動的攻撃性に対処するには、次のようなことが有効だとされています。
- 攻撃してきた人の怒りに、怒りで反応しない。
- コミュニケーションをとる。
- 何に怒っているのか、直接聞く。
また、自分にそのような傾向があるときには、次のようなことが有効だとされています。
- 自分がどうしてこのように反応したのか理解しようとする。
- 行動を起こす前に一度考えてみる。
- ネガティブに考えることをやめるように心がける。
- セラピーを受ける。