「ニュアンス」とは?意味や使い方をご紹介

「ニュアンス」という外来語は日常的に使われる言葉です。しかし、なんとなく使っているようなところもあり、意味の説明を求められるとちょっと難しいかもしれません。この記事では、「ニュアンス」の意味や使い方と一緒に類語もご紹介します。

目次

  1. 「ニュアンス」とは
  2. 「ニュアンス」の使い方
  3. 「ニュアンス」の類語

「ニュアンス」とは

「ニュアンス」には、二つの意味があります。

  1. 話し言葉や文章などに含まれる微妙な意味の差異。話し手が直接言葉にしていない考えや意味。
  2. (主に芸術分野において)色や音などの微妙な差異。

「ニュアンス」の由来

「ニュアンス(nuance)」は、本来、フランス語です。直訳すると、同じ色同士の色合いや濃淡、感情などの微妙な違いといった意味になります。また、仏和辞典を見ると、「nuance」の英語訳として「shade」と「nuance」の二つが掲載されています。

英語の「shade」には、ランプシェード以外に、光が物体にさえぎられてできる日陰、夕やみ、薄暗がりといった意味があります。日陰、夕やみ、薄暗がりは、光の濃淡や色調が微妙に異なりますから、フランス語の「nuance」の英語訳として使われているのではないでしょうか。

また、英語の「nuance」は、日本語と同様にフランス語がそのまま外来語として使われているようです。このような由来を踏まえると、上記の「ニュアンス」の意味は、原語をかなり忠実に表していると考えることができるでしょう。

「ニュアンス」の使い方

1の意味

仮に、同じ言葉であっても、それが使われる場面や背景事情などでそこに含まれる意味や感情が微妙に異なることがあります。また、人が話した内容に言外の考えや意味が含まれていることもあります。どちらの場合も伝える側と受け取る側の感覚などの差異に基づきます。

【例文】

  • 君の言い分と彼の言い分は全く同じだが、どうもニュアンスが違うように思えてならない。
  • 外国映画を吹き替えで見るとストーリーはわかりやすいが、原語のニュアンス十分に伝わらないように思う。
  • 契約書は、その内容が人によって異なったニュアンスで受け取られることのないように言葉や表現を十分に吟味しないと後々争いの種になりかねない。
  • 先方の謝罪の言葉に、若干、侮蔑のニュアンスを感じたのは自分だけだろうか。

2の意味

芸術の分野では、「ニュアンス」が話題になることがよくあります。絵画やファッションなどでは、色の色調・濃淡・陰影、音楽では音の強弱・リズム・高低などに微妙な違いがあります。また、風景も時間帯や天候によって見え方が異なります。

【例文】

  • この風景画は、光の加減による空の色の微妙なニュアンスの違いを表現しています。
  • 同じ曲でも指揮者や演奏者が違うと曲から伝わるニュアンスはずいぶん違うものだ。
  • 家具や壁紙とのニュアンスを考えると、カーテンの色はこっちのほうがいいと思う。

「ニュアンス」の類語

「語感」

「語感(ごかん)」は、言葉から受ける感じやイメージ、言葉の持つ印象のことです。言葉を発する側も受け取る側もそれぞれの感性でその言葉を感じとることから、微妙な違いが生じることもあり、「ニュアンス」とよく似ています。

また、言葉の持つイメージなどの微妙な違いを感じとる感覚のことも「語感」の意味に含まれています。

【例文】

  • 新しい商品のネーミングを公募したところ、語感のいい名前がたくさん集まって、選ぶのに苦労しそうだ。
  • この詩の作者は素晴らしい語感の持ち主だ。

「機微」

機微(きび)」は、表面からは、容易にわかりにくい微妙な心の働きや物事の(おもむき)のことです。「機微」も微妙な違いを表す言葉で、「ニュアンス」の類語と言えるでしょう。

情報化社会では、情報の管理が重要課題ですが、その中で、個人情報や国家機密など慎重に扱わなければならない微妙な情報のことを「機微情報(センシティブ情報)」と呼んでいます。

【例文】

  • 旅先の見知らぬ町で住民たちの機微に触れて、印象深い思い出となった。
  • 国際情勢の機微を捉えて商機を掴まなければならない。


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