「言外」とは
「言外(げんがい)」とは、「言葉」の「外」のことです。その文字どおり、「言葉には表されていないところ」「言葉に出さない部分」を意味します。
直接的な表現をせずに相手に理解を求めるのは、コミュケーションの場ではよくあることです。そのようなときは、「言外ににおわせ」たり「言外にふくめ」たりして真意を伝えます。
なお、ここでいう「言葉」には、文字に起こされたものも含みます。手紙や小説、俳句、歌詞などで、文字に表されてはいないけれども感じ取ることができる作者の思いや趣きを、「言外の余情」と言います。
「言外」の用例
- 今まで交渉を続けてきたが、相手の言外からこれ以上進展がないことを感じた。
- 遠く離れて暮らす両親から届く手紙には、言外にたっぷりの愛情があふれている。
- 好きだという思いを言外にこめてみたが、果たして彼女に伝わっただろうか。
- 彼の書く歌詞はシンプルなのだが、非常に深い趣きが言外にこめられている。
「言外」の類義語
「言外」の類義語で、かつ日常でよく見聞きする言葉に「行間を読む」や「ほのめかす」があります。
行間を読む
「文章の行と行の間」というのが「行間」の本来の意味ですが、文章だけでなく対話の場面でも、「行間」は使われます。相手の表情や声、雰囲気などが、対話における「行間」です。
なお「行間を読む」とは「文章の表面にはあらわれていない筆者の真意をくみ取る」という意味で、受け手側の行動を表します。「言外」を用いて言い換えるなら、「言外にふくまれた筆者の真意をくみ取る」となります。
ほのめかす
「ほのめかす」は「それとなく示す」という意味で、「言外ににおわす」と同義です。通常の会話では「言外」よりも「ほのめかす」を使うことが多く、馴染みのある言葉です。
「言外ににおわす」ことの難しさ
「言外ににおわす」には高度なテクニックが必要です。なぜなら、言外がどのように解釈されるか、それは受け手ごとに異なり、常に一定の伝わり方をするとは限らないものだからです。
コミュニケーションの場では、議論が加熱することを避けるために「言外ににおわす」方法を取るケースが多々あります。しかし、相手に真意をくみ取ってもらえなかった時には、自分の発言がその場しのぎで終わってしまうこともあるので注意が必要です。
少ない言葉で真意を伝えるためには、声のトーンや顔の表情が重要になります。手紙や電子メールのように声も表情も相手に示すことができない場合は、短い文章でも直接的に表現することが、相手に誤解を与えずに済むポイントです。