「忠実」の意味
「忠実(ちゅうじつ)」の意味
「忠実(ちゅうじつ)」の意味は以下の通りです。
- まごころを持って相手によく尽くすこと、つとめること
- ルールや方法のとおり正確に実行すること
「忠」も「実」も、いつわりのない心・まごころという意味があります。また、「忠」には、君主に対して臣下たる本分を尽くすという意味もあり、1の意味を強調しています。
「忠実(まめ)」の意味
「忠実」には、当て字として、「まめ」という読み方もあり、意味は以下の通りです。
- 誠実でまごころがあること。まじめ。本気
- 労苦も嫌がらずによく働くこと
- 身体が丈夫なこと。達者であること
- 実用的であること
「実」だけで「まめ」と読むこともあります。1や2は、「ちゅうじつ」と通じる意味ですが、3や4は「まめ」にしかない意味です。ただし、4は古い使い方で、現在、あまり使われていません。
「忠実(ちゅうじつ)」の使い方と例文
1の意味:まごころを持って尽くすこと・つとめること
「忠実」は、基本的に褒め言葉として使われることが多い熟語です。また、ビジネスシーンにおいて、「忠実な人」は、信頼できる人・まじめな人という意味があります。
【例文】
- 営業部のAさんは仕事に忠実な人で、上司からも信頼されている。
- 羽柴秀吉は、織田信長の忠実な家臣として知られている。
2の意味:正確に実行すること
「忠実に再現した」という表現がありますが、これは嘘や間違いを含まず、そのままを正確に再現したということです。過去のものを現在に蘇らせるときによく使われる言葉です。
【例文】
- 私が持っているレプリカのユニフォームは、本物を忠実に再現したものだ。
- この物語は、ある夫婦が体験した出来事を忠実にドラマ化したものです。
「忠実(まめ)」の使い方と例文
ここでは、1から3の意味の使い方を紹介します。まず、一般的には、誠実でまじめであるがゆえに、労苦も嫌がらずよく働くと考えられることから、1と2の意味は共通するものがあり、使い方もよく似ています。
3の意味では健康状態や安否などを詳しく説明することなく、相手を安心させるような場合に使うことが多いようです。
1の意味の例文
- 先生のちょっとした雑談までノートにとるなんて、忠実な人間だな。
- お釣りの端数はあげるつもりだったが、彼は忠実に1円残らず返してきた。
2の意味の例文
3の意味の例文
- しばらく連絡をせず心配をかけましたが、忠実で暮らしております。
- 私も歳を取りましたが、忠実なのが何よりです。
「忠実」の類語
「誠実」
「誠実(せいじつ)」の意味は、「他人や仕事に対して、まじめでまごころがこもっていること」です。「忠実」と共通する部分もありますが、「忠実」のように「命令された通りにやる」というニュアンスはありません。
【例文】
- 彼は誰の悩みに対しても誠実に答えてくれるので、頼りにされている。
- 店員の誠実さに心を動かされ、買う予定になかった家電を買ってしまった。
「忠義」
「忠義(ちゅうぎ)」の意味は、「主君や国家に対して、まごころを尽くして仕えること」です。「忠実」と共通する部分の多い熟語です。「忠義を尽くす」は、時代劇でよく耳にしますが、現代社会で使われることは少ないです。
【例文】
「律儀」
「律儀(りちぎ)」の意味は以下の通りです。
- 義理堅いこと。実直であること。
- 健康なこと。丈夫
「忠実(まめ)」と共通する部分があり、「律儀な奴」≒「忠実な奴」として使われることがあります。なお、漢字表記には「律義」もあり、「りつぎ」という読み方もあります。
【例文】
- 落とし物を拾ってあげただけでお礼がしたいなんて、律儀な人だな。
- 皆が足を伸ばしてリラックスした座り方をする中、彼女は律儀に正座をしていた。
「真摯」
「真摯(しんし)」の意味は、「真面目でひたむきなさま」です。ビジネスシーンで、自らの誠意を相手に示す時に「真摯」という言葉が使われます。また、謝罪の場で「真摯に受け止めて」という常套句(じょうとうく)を耳にすることも多いです。
【例文】