「信頼」とは?
「信頼」とは、あるものを信じ、頼りにすること、あるいは、あるものを頼りにできると信じること、です。その対象は、人物だけではなく、事物も含みます。
「信頼」の構築
「信頼」の気持ちが構築されるまでには、対象となる人物や事物とのかかわりが大きな意味をもちます。仕事上の「信頼」であれば、過去の実績がよいことや、優れた能力が認められることなど、頼ることが可能と判断できる要素が積み重なり、「信頼」につながります。
製品などの物理的な物であれば、機能性に満足できる、多くの口コミで優れていると評価されている、などの具体的な満足度や高評価によって「信頼」が獲得されます。
「信頼」への他者評価と自己評価
対人であれ事物であれ、対象への「信頼」は、自身のみならず他者の評価によって決まる場合が少なくありません。
とくにSNSが普及した現在では、多くの「いいね」や口コミの高評価で「信頼」しがちですが、自身の感覚や経験をもとにした判断も大切にしたいところです。
自身の感覚という意味においては、人間関係における「信頼」は、まさに心と心の交流が大きな意味を占めます。人への信頼の場合には、ビジネスライクな損得だけではなく、感情や信じる心など、物理的に計ることのできない要素が影響をもたらす場合があります。
「信頼」の使い方
(A男)
部下の鈴木君は、この三年間、立案する企画がすべて採用され、かつ実績をあげているので、大いに信頼しているよ。
(B子)
親友が使っているレンジがとても良いというので、信頼して同じ商品を買うことに決めたわ。
(C男)
正夫との付き合いはもう20年だ。その間、ずっと気持ちよい交流をしてきたから、信頼関係は盤石だよ。
類語の「信用」と「信頼」の違い
信用:人のなりや言動・行動、もしくは物事の実績などを信頼に足るものとして受け入れること。
「信用」と「信頼」は、「信じて受け入れる」という基本的な意味は共通していますが、ニュアンスとして異なる部分も持ちます。
「信用」をもたらす具体的評価
「信用金庫」「信用取引」などの言葉もあるように、「信用」には、過去の具体的な実績や評価によって「
信じる」という「証拠ありき」、つまりビジネスライクな評価を経て受け入れるというニュアンスがあります。
英語で信用をcreditと表現することが良い例です。クレジットカードは、顧客の口座に預金残高が十分にあってこそ、カード会社は顧客を「信用」してカードを発行します。
人間的にきわめて優れた人物で、多くの人から「信頼」されていても、お金がなければ銀行からの「信用」は得られない、ということです。
「信頼」をもたらす心の評価
「信頼」には、人の心がかかわってきます。非常識で社会的に「信用」できない人物でも、自分との友情の絆は「信頼」できる場合があります。
また、借金をすぐには返せないという意味で「信用」はできなくても、あいつならいつかは返してくるだろう、という「信頼」がある場合もあります。
こうしたケースでは、過去のビジネスライクな実績などとは異なり、人の心で「信頼」が成立しているのです。
「信用」の使い方
(D子)
恵美子さんは、ずっと優秀なキャリアウーマンだったから、その実績を信用して友人の会社に紹介したの。
(E男)
初めて株を買うにあたって、長く安定経営を続けていることを信用して、A社を選んだよ。
類語「信認」と使い方
信認:信頼・信用して認めること。(文例:何度も試作を重ねて考案したレシピが、ようやくオーナーの信認を得てメニューに採用されることとなった)
類語「信憑」と使い方
信憑(しんぴょう):信頼・信用すること。「信憑性」としての使い方が一般的。(文例①:山田三郎容疑者の証言は、自らを利するものではないだけに、信憑するに足りるものだ。文例②:もっと具体的な数字のデータを示し、信憑性の高いレポートにまとめるべきだ)