「必要」とは
意味
「必要」の「必」は「かならず/きっと/まちがいなく/ぜひとも」という意味があり、「必」は中央のくいを両側から木を当ててしめつける形で、ほこの柄を表すという説があります。
「要」には「もとめる/必要とする/約束する/ひきとめる/まちぶせする/根本/しめくくる/およそ」などの意味がありますが、人間(女性)の胴を両手でしめつけている象形文字だという説があります。「必」も「要」もぎゅっとしめつけているイメージがあるようですね。
その「必」と「要」を合わせた「必要」という言葉には、物事が成立するために、それがなくてはならないこと。必ず要ることという意味があります。
【使用例】
- 完成までには一カ月の期間が必要だ
- 先週から受験に必要な書類を揃え始めました
- どんな小さなことでも必要に応じて提供します
- そんなに必要以上に緊張することはないよ
さらにもう一つの意味として、<〇〇する必要がある>の形を用いて、(どうしても)〇〇すべきだ、〇〇しなければならないの意を表します。
【使用例】
- この患者は即刻入院する必要があります
- 大切な友人に警告する必要はありませんか
- あなたは一度帰国する必要があります
「必要」の類語:必須(ひっす)
「必須(ひっす)」は、どうしてもなくてはならないこと。またはそのもののことをいいます。「必要」とは必要性の度合いが少し違います。「必要」よりも「必須」の方がその度合いが強くなります。
【使用例】
- このことは応募者全員に必須の条件です
- 必須アミノ酸
- レインウェアは登山に必須の道具といえます
「必要」の類語:不可欠(ふかけつ)
「不可欠(ふかけつ)」は、欠くことのできないこと。なくてはならないことを表します。「欠くことが不可ない(できない)」ほど必要だという意味ですので、必要性の度合いでいえば「必要」よりも「必須」に近いといえます。
「必要」「必須」が単に「必ず要る」「どうしても要る」という意味であることに対して「不可欠」は「欠くことができない(だからどうしても必要だ)」というニュアンスになります。
さらに「必要不可欠」という言い方もします。これはそのまま「必要(かならずいる)」と「不可欠(かくことのできない)」を合わせたもので「絶対に必要な物事や事柄」を表す時に使います。
【使用例】
- その問題の解決に不可欠な条件だといえます
- 生活に不可欠な物質
【必要不可欠の使用例】
- 体に必要不可欠な栄養素です
- 私にとって親友は必要不可欠な存在です
「必要不可欠」は「必須」とよく似た言葉ですが、人物などに付けて使う場合には単に「必要」という意味合いだけではなく「大切」というニュアンスが強く含まれた言葉になります。
「必要」の類語:重要(じゅうよう)
「重要(じゅうよう)」は、意義や必要性が大きいこと、特に大切であるさまを表します。「重要」も「必要」も「有用であること(役に立つこと)」という意味を根本にもっていますが、かならず要ること(なので役に立つ)を前提とする「必要」に対して、「重要」は値打があり大切なこと(なので役に立つ)という前提の微妙な違いがあります。幹は同じだけど枝分かれしているイメージですね。
【使用例】
- 重要な書類を紛失してしまった
- 彼を重要参考人として扱った
- 誰もが重要視する問題です
「必要」の類語:大切(たいせつ)
「大切(たいせつ)」は、おろそかにしてはならぬこと、なくてはならないこと、きわめて重要なさま、大事にして丁寧に扱うさまなどを表します。「大切」も値打があり大切なこと(なので役に立つ)という「重要」と同じ前提をもった言葉になります。
「重要」は客観的な価値に、「大切」は心情的な価値についていう傾向があります。
【使用例】
- 大切な万年筆を落としてしまった
- どんなことでも基本練習が大切だ
- 父の形見を大切に取っておく
- お体を大切になさってください
「必要」のその他の類語
【入り用(いりよう)】
必要なこと。金銭が要ることをいいます。「これが実は入り用な品物です」「いくら入り用だ」などと使います。「必須」の項目でも説明しましたが必要性の度合いで比べると「入り用」よりも「必要」の方が強く「必要」よりも「必須」が強いという並びになります。
【無くてはならない(なくてはならない)】
無ければ困る。絶対必要であるという意味で、不可欠と同義語になります。「会社に無くてはならない人物だ」
【所要(しょよう)】
あることをするのに必要なこと。またそのものをいいます。「所要の手続きをとってください」「往復の所要時間を教えてください」というふうに使います。
【ニーズ(needs)】
必要度。要求のことです。「来店客のニーズを調べてください」「地域住民のニーズに応えることが先決です」needの複数形ですが、現在ではすっかりカタカナ英語として定着しています。