「熟語」の意味と使い方
「熟語」とは、二つ以上の単語または二文字以上の漢字が結合し、一語となった語のことです。例として「買物(物+買う)」や「読書(書+読む)」などが挙げられます。「熟語」の場合は「熟(みのる、完全な状態に達する)+語(ことば)」で成り立っています。
熟語を合成語、複合語と呼ぶこともありますが、厳密な違いはあまりありません。また、一定の言い回しで特有の決まった意味を表す成句も「熟語」に含まれます。つまり「油を絞る」や「命を預ける」などといった慣用句も「熟語」となります。
「熟語」の構成と例
- 似た意味の漢字を重ねたもの…温暖、絵画、巨大など
- 反対の意味の漢字を重ねたもの…強弱、長短、高低など
- 前の字が主語、後の字が述語になっているもの…人造(人が造った)、市営(市が営む)など
- 前の字が後の字を修飾しているもの…机上(どこ=机)、強風(どんな=強い)、親友(どういう=親しい)など
- 後の字が前の字の目的を表しているもの…越冬、開会、観劇など
- 前の字が後の字の意味を打ち消しているもの…否、非、不、無、未のいずれかが前につく
- 省略語…馬券(勝馬投票券)、模試(模擬試験)、原発(原子力発電所)など
- 接尾語がついているもの…端的、感化、慢性など
熟語の成り立ち
上の例を見てわかるように、「買物(物+買う)」「読書(書+読む)」と読む順番が逆になる場合があります。これは中国から来た言葉であるなごりです。
熟語や慣用句には「矛盾」や「漁夫の利」、「臥薪嘗胆」など、中国故事に由来するものが多くあります。これらがそのまま日本に輸入され今日に至るわけですが、歴史や物語をよく知っていないと、字面を見ただけでは言葉の意味がわからないことも少なくありません。
しかし、だからといって熟語や慣用句が古いばかりの言葉で、現代の日本語から姿を消し死語となりつつあるかと言えば、決してそうではありません。
皆さんも簡単な二字、三字、四字熟語は日常的な会話でも、意識しなくとも頻繁に使っているのではないでしょうか。
よく使われる四字熟語
「熟語」の中でも、四字熟語は特に新聞や報道などでよく使われるようです。
- 意気投合(いきとうごう)…気持ちが合って仲良くなること。
- 一念発起(いちねんほっき)…(元は仏教語)思い立ってあることを成し遂げようと決心すること。
- 苦心惨憺(くしんさんたん)…非常に苦労して心を砕き痛めること。
- 喧喧囂囂(けんけんごうごう)…たくさんの人が口々にやかましく騒ぎ立てるさま。