「漁夫の利」とは?意味や使い方を例文を含めてご紹介

「漁夫の利」という言葉は、小学校で学習する言葉なので良く知っているという方が多いと思います。この「漁夫の利」、実は意外な逸話から誕生した言葉なのです。ここでは「漁夫の利」の意味や使い方を、由来や例文を含めて詳しくご紹介しています。

目次

  1. 「漁夫の利」とは
  2. 「漁夫の利」の由来
  3. 「漁夫の利」の使い方
  4. 『戦国策』に由来のある言葉
  5. 「漁夫の利」のまとめ

「漁夫の利」とは

「ぎょふのり」と読みます。「漁夫の利」の意味は、二者が争っている間に、関係のない第三者が苦労せずに利益を横取りすることです。「鷸蚌の争い(イツボウのあらそい)」「漁父(ぎょほ)の利」とも言います。

「漁夫の利」と「鷸蚌の争い」は同じ逸話が由来の言葉で、元々は「鷸蚌の争い、漁夫の利となる」と言っていました。「鷸」はシギ等の水鳥のことで、「蚌」はドブ貝等の二枚貝のことを指します。

「漁夫の利」の由来

「漁夫の利」の由来となった逸話は、中国の戦国時代の遊説家の活躍をまとめた『戦国策』という書物の中にあります。燕の国を攻めようとしている趙(ちょう)の恵文王(けいぶんおう)に対して、燕(えん)の国を攻めないように説得するために蘇代(そだい)という遊説家が次のような話をしました。

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『今日、易水という川のほとりで、ドブ貝(蚌)をシギ(鷸/いつ)が飛んできつつきました。驚いたドブ貝が貝を閉じてシギのくちばしを挟むと、シギは「今日も明日も雨が降らなければ、おまえは死んだ貝になるだろう。」と言うと、貝も「今日も明日もくちばしを引き出せなかったら、おまえは死んだ鳥になるだろう。」と言い返しました。

両者が全く譲らず争っているところを、たまたま通りかかった漁師が何の苦労もなく両方とも捕らえてしまいました。今、趙が燕を攻め長期にわたり両国が争い、互いに疲弊することになれば、それに便乗して強国の秦が漁師となり利益を得ることを私は恐れています。恵文王様、どうかその点を熟考いただきますようお願い申し上げます。』
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それを聞いた恵文王は「もっともだ」と言って、燕に攻め込むのを止めました。この話から「鷸蚌の争い、漁夫の利となる」という言葉が生まれ、「漁夫の利」と「鷸蚌の争い」という別々の故事成語として使われるようになりました。

「漁夫の利」の使い方

「漁夫の利」はどの様に使うのでしょうか。例文を通して見てみましょう。

「漁夫の利」の例文

1.有力候補の二人が見苦しく罵りあったおかげで、全く無名の候補者が「漁夫の利」を得て当選してしまった。

2.討幕派と攘夷派で内戦をしている混乱に乗じ、「漁夫の利」を狙った西洋列強に攻め込まれることだけは阻止せねばならない。

「漁夫の利を得る」「漁夫の利を狙う」といった表現で使われることが多いようです。「漁夫の利」を得ることのできた第三者は、ほとんど苦労をしないで利益を得ていることがわかります。また、この第三者には、関係ないところから簡単に利益を得られる幸運や、二者が疲弊するのを虎視眈々と狙っている狡猾さがあることがわかります。

『戦国策』に由来のある言葉

「漁夫の利」のように、『戦国策』に由来のある言葉をいくつかご紹介します。当時の遊説家は、たくさんの逸話を言葉を残しているんですね。

・蛇足(だそく)
不要なもの。余計な付け加えのこと。

・百発百中(ひゃっぱつひゃくちゅう)
発射すれば必ず命中すること。計画や予想などが全て的中すること。

・鶏口となるも牛後となる勿れ(けいこうとなるもぎゅうごとなるなかれ)
大きな集団や組織の末端より、小さくても集団の長となって重んじられるほうがよいということ。

・死馬の骨を買う(しばのほねをかう)
大して優秀でない者を優遇し、優秀な者が次第に集まって来るようにしむけること。

・薪を抱きて火を救う(たきぎをいだきてひをすくう)
害を除こうとして、かえって害を大きくすること。

・綿綿を絶たずんば蔓蔓を若何せん(めんめんをたたずんばまんまんをいかんせん)
災いを芽のうちに摘み取らなければ蔓延してしまい、除去することができなくなること。

・百里を行く者は九十里を半ばとす(ひゃくりをゆくものはきゅうじゅうりをなかばとす)
物事は終わりの方ほど困難が多いので、九分通りを半分と心得、最後まで気を緩めてはいけない、という戒めの言葉。

・席捲(せっけん)
席(むしろ)を巻くように領土を片端から攻め取ること。急激に自分の勢力範囲を拡大すること。

「漁夫の利」のまとめ

いかがでしたでしょうか。「漁夫の利」の意味や使い方をおわかりいただけましたか。「漁夫の利」は、元は戦争を止めるために作られた話から生まれた言葉だったんですね。意味や使い方と合わせて覚えておきましょう。


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