「示唆」とは?意味や使い方を例文も含めてご紹介

「示唆」という言葉をご存知でしょうか。世の中はいつも明言されることばかりではなく、さまざまな「示唆」に満ちています。もし意味がわかりにくいようであれば、「示す」「唆す」のそれぞれの意味を思い出しましょう。ここでは、「示唆」の意味や使い方についてご紹介します。

目次

  1. 「示唆」とは?
  2. 「示唆」の使い方
  3. 「示唆」の類語

「示唆」とは?

「示唆」(しさ、「じさ」とも)とは、「それとなく気づかせること」や、「暗にそそのかすこと」という意味の言葉です。

もし意味が捉えにくくなったら、「示す:そうであることを表す」、「唆(そそのか)す:その気になるよう誘ってすすめる」という二つの言葉を思い起こしましょう。

「示唆」の使い方

「示唆」は主に、「示唆する」「示唆を与える」などのかたちで、何かがそうであるとそれとなく示すことや、暗にそうであると教えることを指して使います。

不確定なこと・未来への「示唆」

複雑な世の中のこと、物事の因果関係を(示唆ではないかたちで)はっきりと言い表すこと(明言、断言)は難しいこともあります。不確定な物事を強引に断定してしまうよりは、「こうではないか」という「示唆」に留めておいたほうが都合が良いことも多いのです。

特に、複雑な事情がいくつも合わさった先の「未来」に言及する想定や約束は、どれほど確実を期そうとしても「示唆」の段階に留まることも珍しくありません。

とはいえ、最初からまったく何の因果関係もないのであれば「示唆」が行われること自体がないわけですから、「示唆される物事」には「ある程度の確からしさ」がニュアンスとして含まれると言ってよいでしょう。

観念としての「示唆」

観念的にいえば、「ある物事から何らかの示唆を受け取る」こと自体が「その物事のありようを定める」という側面もあります。

運命論を典型として、どの原因がどの結果にどう繋がっているかは明らかでない場合のほうが多く、「示唆」として断片的情報が与えられることはあっても、それを確かなものにしようという観念の試み自体が、物事の有り様を変えることもあるからです。

例えば、『聖書』からどのような神の示唆を読み取るか、それによってどう神(や宗教や自分の人生)を捉えるか、その観念は個人によって異なる場合があります。

例文

  • 部長は「君がこのプロジェクトをうまく軌道に乗せたら、昇進の可能性もある」と私に示唆した。
  • ネット掲示板において、犯罪を示唆する書き込みが見つかり、警察が捜査している。
  • この前、友人の家に遊びにいった。私の見る限り、恋人の存在を示唆するようなものは何もなかった。
  • この映画では、直接役者のセリフとして語らせてはいないが、内容は「人生のむなしさ」を示唆しているようだ。
  • 子供向けの童話でも、生きるためのさまざまな示唆を私たちに与えてくれることがある。

「示唆」の類語

暗示

暗に示すこと、それとなく示すこと「暗示」と言います。ただ、心理学用語では、「無意識のうちに感覚・観念・意図などを他人に伝達すること」という意味もあり、こちらは「示唆」の類語とは言えなくなりますのでご注意ください。

【例文】:不吉な暗雲が、この国の行く末を暗示しているように思われた。

仄めかし

「仄(ほの)めかし」とは、それとなく見せること、それとなく言うこと、におわすこと、といった意味の言葉です。行為としては「示唆」と似ていますが、「示唆」よりも真実味が薄く、事実ではないかもしれないというニュアンスを含むこともあるようです。

【例文】:事件関係者のひとりは、Aさんが事件の犯人ではないかと仄めかしている。

メッセージ

「メッセージ」(英語:message)という言葉には、「伝言」や「ことづて」の意味が第一義としてあるのですが、言語に限らずあらゆるコードを通じて送られる情報全般を指すため、「示唆」の意を含むことがあります。

特に、創作物などでは、誰にでもわかるようなかたちではない、「示唆的」なメッセージ・コードを製作者が作品に込めることもあります。

【例文】:遺書にこめられた隠された愛のメッセージを、彼女はしっかり受け取った。

サジェスト

「サジェスト」(英語:suggest)とは、「暗示」「示唆」の意味であり、日本語としては「提案」の意味で使われることもあります。名詞形で「サジェスチョン(する)」と使われることもあります。

【例文】:探偵のサジェストによって、警察は犯人に一歩近づくことができた。


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