「弄って(弄る・弄った)」とは?意味や使い方をご紹介

皆さんは「弄って」という言葉をご存知でしょうか?読みを聞くと「あ~そうか」と思われ方もいるでしょう。この漢字自体あまり使うことはないのですが、文章的には「弄る」と表現することもあります。今回は「弄って」について、その意味や使われ方についてご紹介します。

目次

  1. 「弄って」の読み方
  2. 「弄って」の意味
  3. 「弄」の漢字の由来
  4. 「弄」を使った漢字の読み方と意味
  5. 「弄って」の例文
  6. 「弄って」の類語
  7. まとめ

「弄って」の読み方

いじって、まさぐって

ラ行五段活用の動詞「弄る」の連用形である「弄り」の促音便形に、接続詞「て」が付いた形です。「弄」は音読みで「ロウ」、訓読みで「もてあそぶ」と読みます。「いじる」は訓読みですが、あまり一般的ではない読み方です。

「弄って」の意味

弄って(弄る)とは、「何かに触れて動かしたり、手を加えたりすること」を意味します。漢字が似ていてよく間違えられる言葉に、「葬る」という言葉がありますが、こちらは「ほうむる」と読むので、間違えないように気を付けましょう。

「弄ってる」「弄った」など様々な形で使われますが、基本の形は「弄る」です。最近では、インターネットなどで、「イジって」とカタカナで使っている場合も見受けられます。

「誰かをふざけてからかう」場合もそうです。お笑いなどでいじられキャラという言葉を聞いたことがあるでしょう。「(本格的でなく)趣味でする。遊びでする」や「(はっきりした目的・方針もなしに、または部分的に)等を少し改変する」という意味もあります。

また、全く違う「困らせる、弱い者をいじめる」という意味も持っています。使い方によっては便利な言葉ですが、ある程度慎重さが求められます。

「弄」の漢字の由来

「弄」という漢字は、「玉」と「廾」という二つの漢字を合わせて作られた会意文字です。「会意文字」とは、漢字の六書のひとつで、二つ以上の漢字を、意味の上から組み合わせて、新しい漢字を作ることをいいます。

「廾(きょう)」は、両手で物を持って捧げている様子、「玉」は、三つの玉を紐で通した、という象形文字です。

この二つの漢字が組み合わされることで、「両手で玉を持って遊ぶ」という「弄」が誕生したのです。

「弄」を使った漢字の読み方と意味

次に「弄」を使った漢字を見てみます。

使われているのは同じ漢字ですが、読み分けのポイントは「送り仮名」です。「弄」の後に続くひらがなから読み方を判断し、それに合わせて意味を捉えましょう。

「弄ぶ」

この読みは「もてあそぶ」です。「思うままにあやつる」という意味です。また、「人をなぐさみものにする」「寵愛する」という意味もあります。

あまり良い意味はなさそうですが、「詩をもてあそぶ」と言うと「心のなぐさみとして愛する、鑑賞して楽しむ」という意味にもなります。

「弄する」

こちらは「ろうする」と読みます。読み方を聞いただけでは、「策をろうする」「弁をろうする」という言葉を連想する人もいると思います。
 
「思うままにあやつる」という意味で、「もてあそぶ」の類義語です。また、「冷やかす、あざける、からかう」など「いじる」と似た意味もあります。

「弄って」の例文

「弄って」「弄る」という言葉は、多くの意味を持つ言葉なので使い方も多様です。これまでも日常的に使っていたという人も多いと思いますが、改めて正しい使い方を確認しておきましょう。

「子どもがパーカーの紐を弄(いじ)っている」
暇そうな子どもがぼんやりと紐を触っている様子が目に浮かびます。「触る必要がないのに触っている」という意味で、ほかにやることがなく、目の前にあったから触ってみたという場面を表しています。

「休日はパソコンを弄(いじ)っています」
これが(本格的ではなく)趣味でするという意味での使い方です。ただの趣味という場合もありますし、謙遜として使うこともあります。この使い方の場合はたいてい主語を自分にします。

「小銭を探してポケットを弄(まさぐ)る」
ポケットを「いじる」だと単にポケットを触っている意味しか持ちませんが、「まさぐる」とすることで「手先で何かをあちこち探している」という意味を表します。

「弄って」の類語

ここでは「弄って」の基本形である動詞「弄る」に関連した類語を説明します。 

弄る(いじる)

(必要もないのに)さわったり、動かしたりする。もてあそぶ。本格的にではなく、趣味でする。遊びでする。何かをすることの謙称としても用いる。はっきりした目的、方針もなしに、あるいは部分的に組織などを改編する。弱い者をいじめる。困らせる。 

弄くる(いじくる)

指先でもてあそぶ。はっきりした方針や目的もないのに、色々と手を加える。趣味で楽しむため、あれこれ手を加えたり、操作したりする。

弄ぶ(もてあそぶ)

目的もなしに、指先でなでたりひねったりすることを言う。その例として、「手で持って遊ぶ。いじくる」「人をなぐさみものにする」「思うままにあやつる。弄(ろう)する」「心のなぐさみとして愛する。鑑賞して楽しむ」

翻弄(ほんろう)

思うままにもてあそぶこと。手玉に取ること。

玩弄(がんろう)

「遊び道具としてもてあそぶこと」「見下してなぶりものにすること」

弄る(なぶる)

この場合の「弄る」は、「弱い立場の者などを、面白半分に苦しめたり、もてあそんだりする」「からかってバカにする。愚弄する」「手でもてあそぶ。いじりまわす」を意味します。

弄る(まさぐる)


「手をしきりに動かしてさぐる」「手で触れる。手でいじる。もてあそぶ」を意味します。

まとめ

「弄って」「弄る」という言葉について、由来、類語や例文なども交えてみてきました。
意味も多く、様々な場面で使われる言葉です。どちらかというと謙遜的な意味合いもある言葉ですが、使い方にはその場面場面における慎重さも必要です。

「弄る」「弄ぶ」「弄する」など読み分けにも注意しましょう。

 


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