「たまったもんじゃない」とは?意味や使い方をご紹介

「こう暑い(寒い)と、本当にたまったもんじゃないね」と口にしたことはありませんか。時代劇や落語などにもできてきそうな言い回しですが、現代の日常生活でも使われる言葉です。この記事では「たまったもんじゃない」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「たまったもんじゃない」とは
  2. 「たまったもんじゃない」の使い方
  3. 「もんじゃない」について
  4. 「たまったもんじゃない」の類語

「たまったもんじゃない」とは

「たまったもんじゃない」とは、たまらない(堪らない)」の意味を強調した「たまったものではない」が、口語的にくだけた言い回しです。

この基本となっている「たまらない」には、以下のような意味があります。

  1. (今の状態を)維持できない。ひどい状態になる。
  2. 辛抱できない。我慢できない。やりきれない。
  3. この上なくいい。とてもいい。

この「たまらない」の1から3の意味を強調して、「とてもじゃないが辛抱できない」とか「もうこれ以上は我慢も限界だ」といったことを表す会話表現が「たまったもんじゃない」です。

「たまったもんじゃない」の使い方

1の意味「(今の状態を)維持できない」

物事には限度があり、それを超えると人間の心身や物が現状維持できなくなってしまいますね。1の意味は、ある物事が限度を超えたり、限度を超えることが予想できるときに使います。

【例文】

  • 祝い事が続くのはいいけど、財布がたまったもんじゃない
  • 初級程度のスキーの腕前でスピードを出しすぎたから、たまったもんじゃない。転倒して骨折してしまった。

2の意味「辛抱できない/我慢できない」

2の意味の「たまったもんじゃない」も限界に関する表現です。しかし、1の意味と違って、人の感覚や感情を表すときに用いられます。

【例文】

  • 我慢比べだと言って氷風呂に入ったが、あんまり冷たすぎてたまったもんじゃないね。
  • 親切でしたことを下心があるなんで言われたら、たまったもんじゃない

3の意味「とてもいい」

3の意味では、我慢できない、辛抱できないということを肯定的に使っています。それにより、喜びやうれしさを強調している表現です。

【例文】

  • 初孫の笑顔や寝顔は、たまったもんじゃない
  • 彼女に見つめられたら、たまったもんじゃない。それだけで心が宙に舞い上がるよ。

「もんじゃない」について

「たまったもんじゃない」の「もんじゃない」は、ほかの動詞の後に付いて、「~しないのが当然だ/~してはいけない/~するべきじゃない」という意味を表すこともあります。いうもんじゃないするもんじゃないは、そうした用法の一例です。

【例文】

  • 他人の悪口なんかいうもんじゃないよ。
  • 道に落ちているものを拾ったりするもんじゃない

「たまったもんじゃない」の類語

「我慢できない/辛抱できない」

「我慢(がまん)」や「辛抱(しんぼう)」は、耐える、こらえるという意味でよく使う言葉です。「我慢できない/辛抱できない」は、それを「できない」で否定しているので、「たまったもんじゃない」の類語として使うことができます。

【例文】

  • 彼女は、長年、夫の暴言や暴力に耐えていたが、これ以上は我慢(辛抱)できないと思って、警察に相談することにした。
  • 彼は、激しい胃の痛みに我慢(辛抱)できなくなって、救急車を呼んだ。

「やりきれない」

「やりきれない」は、「遣り切れいない」と書き、①最後までやり遂げることができない、②我慢できない、耐えられないという二つの意味があります。②の意味では、「たまったもんじゃない」の類語です。

【例文】

  • 家事を手伝っても、あとからやり直されるのではやりきれない
  • 南国生まれの私には、北海道の寒さはとてもやりきれない

「いたたまれない」

いたたまれない」は、「居た堪れない」と書き、その場にじっとしていられない、それ以上我慢できないという意味を持っています。我慢できない、限界だといったところが、「たまったもんじゃない」の類語と言えるでしょう。

【例文】

  • 霊安室で、遺族の涙と泣き声にいたたまれなくなってその場を離れた。
  • 「そんなことも知らないのか」と先輩に言われ、恥ずかしさでいたたまれない気持ちになった。

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