「衝動」とは?意味や使い方をご紹介

「衝動買い」という言葉があります。買うつもりがなかったのに品物を見て欲しくなり、その気持ちが抑えられずに無計画に買ってしまうことですね。「衝動」は、心の動きですが、その意味はどういったものでしょうか。この記事では、「衝動」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「衝動」の意味とは
  2. 「衝動」の使い方
  3. 「衝動」の類語

「衝動」の意味とは

「衝動(しょうどう)」とは、「かす(つきうごかす:突き動かす)」という漢字からもわかるように、以下のような意味があり、心の働きを表す言葉です。

  1. 何かの刺激を受けて心や感情が衝き(突き)動かされること。
  2. 抑制が効かない状態になって発作的に行動しようとする心の働きのこと。

心理学の分野でも「衝動」という概念があります。しかし、「衝動」は、人間の行動が起きる原因として考えられる生理学的欲求や情動の概念と重複するところも多いために明確に定義することは困難であるとされています。

その上で、一般的に「衝動」は、その強度が大きく、本能的あるいは非反省的な行動を引き起こす原因となるものと言われています。非反省的とは、サルトルの使った言葉で、外的なもの(目の前のもの)に心がとらわれている意識と言われています。

「衝動」の使い方

上記の「衝動」の意味や心理学的な概念を踏まえて、二つの意味に分けて使い方や例文をご紹介します。

1の意味:心や感情が突き動かされる

人は、予期しない出来事や事件・事故など外からの刺激によってショックを受けた時、心に様々な「衝動」が起こります。

【例文】

  • 健康自慢の父が、定期健診の結果衝動を受けて落ち込んでいる。
  • 昨日発生した無差別通り魔事件が、国民に大きな衝動を与えた。
  • ピカソのゲルニカを見て、言葉にできない激しい衝動を感じた。

2の意味:発作的に行動しようとする

2の意味での代表的な「衝動」は、冒頭に挙げた「衝動買い」でしょう。目の前のものが欲しいと思ったその気持ちに抑制が効かず、後先考えずに買ってしまうという行動が、2の意味を的確に表しています。これは、「本能的あるいは非反省的な行動」と言えるのではないでしょうか。

抑制が効かないといっても、予算や収入の範囲内で抑えることができるのであればいいのですが、収入に見合わない高価な商品を買ったり、「衝動買い」を繰り返したりしていると後々経済的な問題などで苦しむことになりますね。以下では、このほかの「衝動」を例文でご紹介します。

【例文】

  • 好きな彼女の家を知りたいという衝動を抑えきれずに後を付けたら、ストーカー行為で警察に事情聴取された。
  • 念願の夢がかなってうれしさのあまり大声で叫びたい衝動懸命にこらえた。
  • 大きなミスをして会社に損害を与えたのに、平然と開き直る部下を殴りつけたい衝動にかられた。
  • ゼウスから、開けることを禁じられた箱を、パンドラは、好奇心という強い衝動に負けて開けてしまった。

「衝動」の類語

「衝撃/ショック」

衝撃(しょうげき)」は、物体に対して瞬間的に加わる物理的な大きな力のことです。また、「衝動」の1の意味の類語としては、心に強い刺激を感じること、または、その刺激のことという意味もあります。

英語では「ショック(shock)」や「インパクト(impact)」と訳されますが、「衝動」の1の意味の類語では、日本語化している「ショック」が当てはまります。「衝撃を受ける」とか「ショックを受ける」という表現を見ると頷けるのではないでしょうか。

【例文】

  • 亡くなった祖父の遺言状の内容に衝撃(ショック)を受けた母は、あまりの不公平さに激怒し、裁判すると息巻いていた。
  • いつもおとなしい彼女の思いがけない激しい反発は、横暴な彼にかなり衝撃(ショック)を与えたようだ。

「激情」

「激情(げきじょう)」は、理性ではコントロールすることができないほど、内面から湧き上がる激しい感情のことです。「激情」は、喜怒哀楽すべてに起こる感情ですが、その激しさゆえに、どちらかというと「怒」や「哀」の場面で現れることが多いようです。

「激情」は、瞬間的な感情で、個人差はあるものの長続きすることはあまりありません。しかし、その激しさのあまり、後先顧みることなく感情のまま行動することがよくあります。この点で、「衝動」の類語と言えるでしょう。

【例文】

  • 彼は、沈着冷静激情に駆られることがないことから、周囲の人の信頼が厚い。
  • あまりの悲しみに激情を抑えきれず、彼は周囲の目も憚らず号泣した。

関連するまとめ


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ