「問題」の意味
「問題」(もんだい)という言葉には、以下の通り複数の意味があります。
- 問いかけて答えさせる題。解答を要する問い。
- 研究・議論して解決すべき事柄。
- 争論の材料となる事件。面倒な事件。
- 人々の注目を集めている(集めてしかるべき)こと。
多くの人が学校で解いたであろう「試験問題」、視聴者を楽しませるクイズ番組の「クイズ問題」、個人ではどう解決したら良いかもわからないような「社会問題」など、世の中にはさまざまな「問題」が存在します。もう少し具体的に使い方を見ていきましょう。
「問題」の使い方
1.問いかけて答えさせる題/解答を要する問い
「問題」の基本的な意味は、学校のテストで出される「問題」や、子ども向けの「なぞなぞ」、クイズ番組の「クイズ」などのように、主に知識・知恵・理解力を試すための問いかけ(遊びも含む)です。
「1+1」が「田」になるような非学問的なものや、伏せたカードの柄を当てるような偶然に頼る遊びも含め、通常は何らかの「答え」があるものと想定・仮定されており、解答者がそこへ至れるかどうか、どう至るかなどを見るケースが多いでしょう。
【例文】
- 学期末の試験では、数学の図形問題がとても難しかった。
- 何を糧に生きるべきか、という問題は、抽象的すぎて答えるのが難しい。
2.研究・議論して解決すべき事柄
「問題」と呼ばれるものの中には、その解決のために、専門的な研究や、複数の人の意見を戦わせる議論が求められる種類のものがあります。
この場合の「問題」は、試験問題などのようにすっきりとした唯一解を求めるのが難しい場合も多く、「問題」に対する解釈(どのようにその問題を取り扱うか)や、研究されることそれ自体が重視されることもあります。
【例文】
- インターネット上に蔓延(まんえん)する誹謗中傷が社会問題となっている。
- 災害発生時、高齢者をどう効率よく避難させるかという問題に、各自治体が取り組んでいる。
3.争論の材料となる事件/面倒な事件
何らかの「問い」が投げかけられる時、「解決」が同時に存在することはまずありません。むしろ手ごろな解決策がない(浮かばない)からこそ、「問題」として取りざたされる道理です。
必然として、「問題」は困りごとや面倒ごとの代名詞でもあり、「また誰々が問題を起こした」と言われるようなケースもあります。
【例文】
- 週刊誌がリークした政治家の汚職問題は世間を政権批判に向かわせた。
- 私は、あの責任者の発言を問題視しています。
- 育児でノイローゼになっていた頃は、なぜ子どもが問題ばかり起こすのかと感じていた。
4.人々の注目を集めている(集めてしかるべき)こと
「問題」は、「問題作」のように、良くも悪くも人々の注目を集めるものを指すこともあります。内容の是非はともかく、何かを「問いかける」もの、その契機となるものは人々の関心を引くといえるでしょう。
【例文】
- 世間を騒がせている問題の映像を入手した。これから内容を精査する。
- 神への疑いを綴った小説は、当時の世相では教会が焚書に乗り出すほどの問題作だった。
「問題」の類語
「問題」と同じ意味の言葉として、これまで解説にも使ってきた「問い」や、「問」(もん)があります。「題」単独も「問題」と同じ意味がありますが、こちらは「試験などの問題」の意が強いようです。
類語としては、「問題を出すこと、答えを求めること、その出されたもの」を「出題」や「課題」。「難しい問題」のことを「難問」や「難題」。さらに、「クイズ」「謎」「なぞなぞ」「パズル」なども類語といえるでしょう。
他にも英語由来の類語として、「プロブレム」「トラブル」「マター」「クエスチョン」などのカタカナ語が使われることもありますので、覚えておくと良いでしょう。