「冷静」とは?意味や使い方を類語を含めてご紹介

「冷静」は、人の性質を表す言葉です。「静」という漢字から、おおまかな意味は推察できそうですね。どんな困難に出会っても、慌てず「冷静」でいたいものです。「冷静」の類語にはどんなものがあるのでしょうか。今回は「冷静」の意味と使い方を類語も含めてご紹介します。

目次

  1. 「冷静」とは?
  2. 「冷静」の使い方
  3. 「冷静」の類語

「冷静」とは?

「冷静」(れいせい)は、馴染み深い言葉のひとつです。人間、どれほどいつも「冷静」であれるかで、心の成熟の程度がわかってしまうかもしれません。

「冷静」とは、感情にふりまわされることなく、落ち着いていること、また、そのさま。感情的にならず、物事に動じず、心静かなこと、また、そのさまを意味する言葉です。

「冷」「静」の字義

「冷」は、冷える、冷酷など、温度や心の冷たさを表すものとしてよく用いられますが、「冷静」においては、おちついたさまという意味で用いられています。そのような意味においては、冷徹(れいてつ)という言葉もありますが、ほかに使われる例はあまり多くはありません。

「静」は、静かのほかに、もうひとつの意味があり、それが「冷静」におけるしずめる、しずまる、じっとして動かないという意味です。「冷静」のほかに、安静、平静、静寂などの言葉が挙げられます。

「冷静」の使い方

「冷静」は、人間の性質を表す言葉ですが、性格としてほぼ常に「冷静」である場合と、普段はそれほどの落着きはないながら、なにか事が起こったときに、意識して「冷静」になることに努める場合があります。

そして、激怒、興奮、焦燥などの「冷静」と対極にある感情面が強い言葉とは異なり、「冷静」は、感情よりは性質、性格に近い面が強いことから、「冷静さを欠く」「冷静さを失う」「冷静でいられない」などの表現が多くみられます。

また、一時的に「冷静」であろうとする場合は、「冷静になろうと努める」などといった表現をします。

「冷静」の文例

  • 冷静でいることの利点のひとつは、なにかあった時に、感情に左右されない的確な判断ができることだ。
  • 冷静な人は、時に冷たく思われることがあるが、冷静と冷淡はまったく異なるものだ。
  • 豪雨で川の氾濫が予想され、警官が「冷静に避難を!」と近隣住民に伝えて回った。
  • 避難を呼びかける警官の声に、逆に冷静さを失い取り乱す人々も続出した。
  • 試験会場についてから受験票を忘れたことに気づいた私は、まずは冷静になって、どうすればいいか考えた。

「冷静沈着」について

「冷静」の代表的な定型的言い回しとして、「冷静沈着」(れいせいちんちゃく)があります。「沈着冷静」とも言います。

「冷静沈着」とは、落ち着いていて慌てることのないさま、感情的にならず、動じず、冷静なさまを意味します。「沈着」は、「冷静」とほぼ同義であるため、同じ意味の言葉を重複させて、意味をより強めていることになります。

【文例】

  • 飛行機はエンジントラブルで緊急着陸したが、パイロットの冷静沈着なアナウンスで乗客全員がパニックになることもなく避難することができた。
  • いつもは沈着冷静な彼女が、子供のけがにうろたえて、為すすべもなくその場に座り込んでしまった。

「冷静」の類語

「平静」

「平静」(へいせい)は、態度や気持ちが感情に揺さぶられず、穏やかで静かなこと、また、そのさまを意味する言葉です。人間の感情のみならず、世の中の状況、世情なども対象としています。

【文例】

  • 恵美さんとランチを楽しんだ時、彼女が平静な様子だったので、まさか前日に離婚していたとは知る由もなかった。
  • 新型ウイルスの影響で混乱した社会も、今は一時的に平静を取り戻しているように見える。

「泰然」

「泰然」(たいぜん)は、落ち着いていて物事に動じないさまを意味する言葉です。同じ意味で「泰然自若」(たいぜんじじゃく)という四字熟語もよく使われます。

【文例】

  • 剣道日本一を決める決勝戦で、両者は泰然と構えて相手のスキをうかがっていた。
  • 紛糾する株主総会で、社長は泰然自若とした態度を貫き、淡々と議事を進行した。


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