「冷淡」とは?
「冷淡」の意味
「冷淡(れいたん)」には、次の2つの意味ががあります。
- 「興味を示さない」、「熱心でない」こと、または、その様子。「無関心」、「淡白」。
- 「同情を示さない」、「そっけない」こと。または、その様子。「不親切」。
「冷淡」の使い方
「冷淡」は、名詞として「冷淡である」という使い方のほかに、「冷淡な○○」、「冷淡に〜」のような用い方もあります。
- あの家のご主人はご近所づきあいに冷淡だ。→(無関心)
- 心配して彼を訪ねたが、冷淡な態度だった。→(同情を示さない)
- 彼女は話しかけてきたファンを冷淡にあしらった。→(そっけなく)
一般的に、上記の2「不親切」の意味で使うことが多いので、単に「冷淡な人」という場合は、主に「不親切な人」を指します。1の「無関心」の意味で使う場合は、「教育に冷淡だ」のように、無関心である分野を併記することが多いようです。
「冷淡」の類語
「冷淡」の類語①無関心
「彼は芸術に冷淡だ」という場合、「冷淡」の類語には、「いい加減」、「気が向かない」、「興味が無い」、「食指が動かない」、「熱意が無い」、「無関心」、「無頓着(むとんじゃく/むとんちゃく)」などが挙げられます。
「冷淡」の類語②不親切
「彼は冷淡な人だ」というとき、「冷淡」の類語には、「知らん顔」、「そっけない」、「ドライ」、「薄情」、「無愛想」、「不親切」などがあります。
「冷淡」に類する慣用句
「木で鼻を括る」
「木で鼻を括る(きではなをくくる)」は、「きわめてそっけない態度、冷淡な態度をとること」を喩えた表現です。本来は「木で鼻をこくる」なので、「木で鼻を括る」は誤用が慣用化したものです。
「こくる」とは「こする」の意味で、「紙が貴重品だった時代には木で鼻をかんでいたが、使い心地が悪くて不機嫌になったその表情」から「無愛想」という意味が生まれました。「木で鼻」、「杵で鼻をこくる」、「擂粉木で鼻をこくる」も同義です。
「袖にする」
「袖にする(そでにする)」とは、親しくしていた人、特に親しい異性を「おろそかにする」、「すげなくする」ことを喩えた言葉です。
「袖にする」の語源には、「手を袖に入れたまま何もしない」、「袖を振って追い払う」など様々な説がありますが、正確なところはわかっていません。
「血も涙も無い」
「血も涙も無い」とは、「冷たくて人情がない」、「冷酷で少しも思いやりがない」ことの喩えです。「血も涙も無い人」、「血も涙も無い仕打ち」のように用います。
「鼻であしらう」
「鼻であしらう」とは、「相手の言葉にろくに返事もせずに、すげない態度をとる」、「邪険にする」ことの喩えです。「鼻であしらう」は、すげない態度を取る場合に「鼻でフンと受け答えする様子」を語源としています。
「無下にする」
「無下にする(むげにする)」とは、「捨てて顧みないでいる」、「すげなくする」、「無駄にする」という意味です。
ちなみに、「無碍にする」という表記は誤字なので注意しましょう。「無碍」とは、「何ものにもとらわれないさま」や「妨げがないこと」を表す言葉で、「無下」とは意味が異なります。
「冷淡無情」
「冷淡無情(れいたんむじょう)」とは、「情愛がなく、同情心のないこと」を表す四字熟語です。「無情」は「慈しむ心がないこと」、「思いやりのないこと」という意味なので、同じような意味の言葉を二つ重ねて強調している表現です。
「我関せず」
「我関せず(われかんせず)」とは、「周囲で何が起こっても自分には関係無いと見向きもしない」、「積極的に関わらない」ことの喩えで、「我関せず焉(われかんせずえん)」も同じ意味です。「焉」は、漢文で断定の意を表わしたり、語調を整えるために用いる助辞です。
「冷淡」という花言葉の花は?
「冷淡」は花言葉にも用いられています。以下に、「冷淡」という花言葉を持つ代表的な植物を紹介します。
「紫陽花」
花の色が時期によって変化することから、「紫陽花(あじさい)」に「冷淡」の花言葉がつけられたと言われています。
その他にも、「冷酷」、「移り気」、「無常」など、心変わりによって冷たくあしらう様子を連想させる花言葉がつけられています。
ただし花の色別となるとまた事情が違い、青は「辛抱強い愛情」、ピンクは「元気な女性」、白は「寛容」と、いずれもポジティブな花言葉がついています。
「睡蓮」
「睡蓮(すいれん)」の花言葉は、「滅亡」、「冷淡」です。これはギリシャ神話において、ヘラクレスに捨てられたニンフが湖に身を投げて水辺の妖精となり、睡蓮を摘もうとした人を睡蓮に変えて、湖に引きずり込むようになったというエピソードに由来しています。