「淡白」とは?
「淡白」は「淡泊」と書くこともでき、「料理の味」や「人の性格」を指す言葉です。まずは、その2つの意味をそれぞれご紹介します。
料理の味が「淡白」
料理の味について「淡白」と表現するときは、塩分や脂肪分が少なく、さっぱりとした味つけであることを意味しています。また、全く味をつけていなくても、素材そのものの味が薄くさっぱりしていることも「淡白な味」と表現します。料理全般の味に使える言葉ですが、一般的には「魚」「肉」「ワイン」などの味に対して使われることが多いようです。
性格が「淡白」
人の性格について「淡白」と表現するときは、執着することなく、自己主張も強くなく、さっぱりとした性格であることを意味しています。一概には言えませんが、このタイプの人は、恋愛や人づき合いもさっぱりしているので、恋人と別れたり喧嘩をしたりしても、後には引きずらないことが多く、人や物事にそれほど執着しないので、場面に応じたスイッチの切り替えは早いようです。
また、気分の浮き沈みが少ない面もあります。楽しいことや悲しいことがあっても動揺した様子を見せないこともあるため、周囲の人からは、「冷たい」「とっつきにくい」といった印象を受けがちです。
「淡白」の使い方
ここでは、「淡白な味」を指す場合と「淡白な性格」を指す場合の使い方をそれぞれご紹介します。
味を指す場合
たとえば、ワイン好きな人は、「白ワインは魚の淡白な味を引き立てる」と言うことがあります。人によっては、「淡白な味が好き」「淡白な味は嫌い」と好みが分かれることもあるでしょう。また、「鶏肉は豚肉よりも淡白だ」などと、何かを基準にして、それよりも薄味であるときにも使うことができます。体を患っている人には、「健康のために、淡白な味つけにしなさい」と指導することもあります。
性格を指す場合
感情の起伏が小さい人に対して、「あの人は淡白だから感情がわかりにくい」と言うことがあります。また、性格がさっぱりしている意味での「淡白」と、味がさっぱりしている意味での「淡白」をかけて、「あなたはまるで魚のように淡白だ」と使うこともできます。これは、「あなたは味のしない魚のように面白みのない人間だ」という皮肉です。
このように、その人が面白みや人間味のない性格であることを、遠回しにからかう言葉として「淡白」が使われることもあります。たとえば、恋人と別れても平然としている友人に対して、「おまえは本当に淡白だな」と言うときは、「(誰でも普通は辛いはずだから)少しは残念がったり寂しがったりしろよ」、つまり「もっと感情を出せよ」という意味が込められていることもあります。
「淡白」の類語 ~淡白は褒め言葉ではない?~
性格においての「淡白」には、「冷たい」「そっけない」「面白みがない」「冷淡な」「不愛想な」といったネガティブなイメージを持つ類義語と、「動じない」「執着しない」「サバサバしている」といったポジティブな類義語があります。
「お金に対して淡白だ」と使う場合は、「お金に執着しない」というポジティブなイメージとして捉えることもできますが、「淡白で愛想がない」といった場合には、ネガティブなイメージとして捉えることもできます。言葉を使う人や、「何に対して淡白か」にもよりますが、一般的にはネガティブなイメージで「淡白」を使うことの方が多いようです。
「淡白」な性格の人
「淡白」な性格の人を好きになると大変だ、という意見がたまにみられます。相手が自分に興味はないのではないかと不安になったり、食べたいものや遊びたい場所にも執着しないので、プランを立てるのにも苦労したり、といった具合です。
ただ、普段はこだわりがなくても、ある事に関しては強いこだわりがある人もいるでしょう。いつも「淡白」だからこそ、ふとしたときの笑顔や仕草が魅力的にうつることもあります。「淡白」な人は相手を不安にさせてしまうこともありますが、そうしたギャップは、他者を引きつける要因の1つになっているのかもしれませんね。