「消費」とは
「消費(しょうひ)」とは、「consumption」の訳語で、文字通り、費やして、なくす(消える)こと、つまり、物や資源などを利用して失(な)くすことを意味します。経済学では、人間の欲を満足させるために、物やサービスなどを利用する活動と言われています。
人間は、生活を維持するために必要な食べ物や物品、資源(エネルギーなど)やサービスなどを利用しています。したがって、「消費」は、人間が生きていくうえで欠かせない経済活動なのです。
「消費」の使い方
生活に密着した「消費」の大部分は、その対価として金銭を必要とすることが前提です。具体的には、食べ物、日用品、衣料、燃料、あるいは、医療や鉄道、物品の配送などの様々なサービスなどが「消費」の対象として挙げられます。
「消費」は、上記の有形の物の中で、食べ物や燃料などのように、1回の使用で消費する非耐久消費財と自動車や住宅などのように継続的に使用される耐久消費財に大別されています。
また、対価を必要としないもの、例えば、時間や体力なども「消費」の対象となりますが、「浪費」という表現が一般的な場合が多いかもしれません。パソコンゲームの世界では、獲得したアイテムを使用することも「消費」と言っています。
「例文」
「消費」の対義語:「生産」
「生産(せいさん)」とは、「production」の訳語で、人間が生活を営むために必要な物を作り出すことです。経済学では、そのような行為を経済的行為と呼んでいます。「生」も「産」も、生み出す、作り出すという意味の漢字ですね。
経済的行為を大雑把に見ると、「生産→消費→生産→消費」と循環していくことになり、二つの言葉は、対義語の関係にあります。「消費」には、サービスも含んでいますが、「生産」には、サービスを含むとする考え方と含まないとする考え方があります。
また、「消費」のように、時間や体力といったものに使うことはありません。なお、古い文献などでは、「生産」を「しょうさん」とも読み、出産すること、生まれることを意味する言葉としても使われています。
「生産」の例文
- レジ袋の有料義務化で、レジ袋を生産していた企業は、この苦境をどう乗り切るのだろう。
- 世界的な感染症の影響でマスクの生産が追い付かず、一時期、価格が暴騰した。
- 生産過剰で廃棄される野菜の映像がテレビで流れている。
「エシカル消費(倫理的消費)」とは
「エシカル消費(倫理的消費)」という言葉をご存じでしょうか。言葉の起源は明らかではありませんが、1989年にイギリスで創刊された雑誌で使われたと言われています。日本では、2015年3月24日に閣議決定された消費者基本計画に「エシカル消費」が登場しています。
閣議決定を受けて、その年の5月に消費者庁は、「倫理的消費」調査研究会を設置し、エシカル消費を「地域の活性化や雇用等も含む、人や社会・環境に配慮して消費者が自ら考える賢い消費行動」と定義づけ、以下のような配慮の対象と具体例が挙げられています。
- 人:障がい者支援につながる商品。
- 社会:フェアトレード商品。寄付付きの商品。
- 環境:エコ商品。リサイクル製品。資源保護等に関する認証がある商品。
- 地域:地産地消。被災地産品。
- その他:動物福祉。エシカルファッション。
この活動は、2015年9月に国連で採択された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals、略称:SDGs)」の17のゴールのうち、特にゴール12「作る責任、使う責任」に関連する取組と位置付けられています。