「賢い」の意味と使い方
賢い:知能や分別が優れている
「賢い」には、知能や分別などが優れていて頭が良いという意味があります。また単に頭が良いだけはなくしっかりと判断ができて的確な対応ができる人を表すときに使います。
【例文】
- 犬はとても賢い動物だ
- 賢くてスポーツ万能な彼はクラスの人気者です
- うちの嫁さんは本当に賢いよ
賢い:知恵がよく回る
「賢い」にはもう一つ、知恵がよく回るさまや抜け目がないことという意味があります。要領がよくて手際もよい人を表すときに使います。
【例文】
- 彼は賢い男だから、納得のいく解決策を用意しているはずです
- 誰に聞いてもその方が賢い選択だったと言うにちがいないよ
- それにしても彼女は賢く立ち回ったもんだね
- スマホの賢い通話料金プランを教えてください
「賢い」と「賢明」
「賢い」と「賢明」はとてもよく似た言葉ですが、「賢明」は賢くて的確な判断が下せるさまや、賢くて道理に明るいことをいいます。
「賢い」が「頭脳の優れているさま」を表す意味が強いのに比べて、「賢明」は「的確な判断が下せること」や「それが道理にかなっていて適切であること」を強調する言葉です。
また「賢い」は人についても方法についても使われますが、「賢明」はどちらかというと「賢明な処置」とか「賢明な道」など方法について使われることが多い言葉になります。
【例文】
- 大臣の思慮深い賢明なるご判断にお任せ致します
- あれこれ迷っていないで早く報告した方が賢明です
- 賢明なる読者諸君よ
「賢い」と「聡明」
同じように「賢い」と似た言葉に「聡明」があります。「聡明」は理解力や判断力にすぐれ賢いことや、物事にさとく道理に明るいことをいいます。単に「賢い」というだけではなく、人格的に優れているというニュアンスがあります。
【聡】の字は「耳で聞く力がするどい」「聞いてすぐさとる」「かしこい/物事がすぐわかる」という意味があり、【明】の字は「はっきりする」「あかるい」「ひかり」「はっきり見分ける力/視力」「かしこい」などの意味があります。
【例文】
- 王は幼時から聡明であった
- 聡明そうな額が彼の優秀さを表しています
- 彼の聡明な人柄がよくあらわれた手紙でした
「賢い」と「その他の類語」
利口
「利口(りこう)」とは、のみ込みが早く物事を巧みにこなすことやその人のことをいいます。「利口」は口の利き方が巧妙であることが元々の意味です。
「賢明」や「聡明」のように物事の本質をよく知っているのとは違い、事に当たって頭の回転が早く身の処し方も巧みな感じを表します。「利口そうな顔」「お利口さん」「利口に立ち回る」というふうに使います。
知的
知性や知識に富んでいるさま、感じられるさまを「知的」といいます。「知的な仕事に携わる」「作風がいかにも知的である」「知的好奇心」などと使います。
聡い
「聡(さと)い」は、悟るのが早いこと、賢いことをいいます。「聡い」は「悟る」と同じで物事の真意をよく知るという意味があります。「この子は聡い子だ」「さとく賢く育つ」などの使い方をします。
目から鼻へ抜ける
賢くて抜け目がないさまや頭の回転の早いさまを「目から鼻へ抜ける」といいます。「気が利いていて目から鼻へ抜けるような人だなぁ」などと会話言葉としてよく使われます。
「賢い」と類語の英語表現
【clever】と【smart】は日本語の「賢い」(もしくは「利口」)に一番近いのかもしれません。【clever】は頭の回転の良さや機知に富む「賢さ」で【smart】は仕事が早く物わかりがよく臨機応変さをもった「賢さ」になります。
【wise】は日本語の「賢明」に近い言葉です。知識や経験が豊かでそれにより的確な判断がくだせるという意味になります。【intelligent】は「聡明」と同じで、高い知能や思考能力を持ち理解力に優れている「賢さ」を表します。
その他にも【bright(利口な)】【sharp(抜け目のない)】【intellectual(理知的な)】などがあります。日本語の類語と同じように意味や使い方に微妙な違いがあります。