「時間」の意味と使い方
「時間」には、哲学的、物理学的にちょっと難しい意味もありますが、ここでは日常的に使われる一般的な「時間」の意味と使い方を五つに分けてご紹介します。
「時間」の意味と使い方①
【意味】
過去から現在、未来へと永久にとどまることなく一定の速度で進んでいくもの。
【例文】
- あっという間に時間が過ぎ去ってしまい、気づいたらもうこんな年齢だ。
- 友人を失った心の痛みは、どんなに時間が経っても癒えることがない。
「時間」の意味と使い方②
【意味】
時の流れの中の一点から一点までの間。長さを持った時。
【例文】
- 時間が足りなくて、最後まで書くことができなかった。
- 初めての作業だったため、思った以上に時間がかかった。
「時間」の意味と使い方③
【意味】
ある目的のために区切られた一定の長さの時。
【例文】
- 当院の面会時間は午後六時までです。
- 明日の音楽の時間はハーモニカの練習をします。
「時間」の意味と使い方④
【意味】
時の流れの中にある一点。
【例文】
- あ、時計忘れちゃった。時間、教えてくれる?
- 明日の集合時間は何時ですか?
「時間」の意味と使い方⑤
【意味】
時間の単位。一日を二十四等分した、そのひとつひとつの長さ。
【例文】
- 七時間くらいの睡眠がわたしにはベストかも。
- ここからだと新幹線で二時間くらいかかりますよ。
「時間」の類語
「時間」の類語としては「時刻(じこく)」「時(とき)」があげられます。それぞれの使い方や「時間」との違いなどについて以下にご紹介します。
時刻(じこく)
「時刻」は、時の流れの中の「〇時〇分」と計られる瞬間瞬間を表します。
かつて時間は、砂時計や水時計によって計られていました。そうした時を計るツールによって「時間に切れ目を入れた」ことから「時を刻む」という表現が生まれ、その瞬間瞬間が「時刻」という言葉で表されるようになりました。
つまり「時刻」は時の中のある瞬間、一点だけを表します。「バスの出発時刻/出発時間は九時半の予定です」のように、時の中の一点を意味する場合は「時刻」「時間」はどちらも使うことができます。
しかし、時がある一定の長さを持った場合には「時刻」は使えません。そのため「友だちとのおしゃべりがあまりに楽しく、時刻が過ぎるのを忘れた」は誤った表現です。
時(とき)
「時」は幅広い意味を持つ言葉で「時間」と「時刻」の総称とも言えます。永久に続く「時」も、ある一定の長さを持つ「時」も、一瞬の「時」も表現することができます。
「今は下手に動かない方がいい。時を見てやろう」のように、「好機」を意味する場合は「時間」は使えず「時」だけの使い方となります。
また「困ったときはいつでも連絡してね」のように、「場合」という意味を表すのも「時間」にはない使い方です。この意味では普通「とき」とひらがなで表記されます。
「時間」が含まれる慣用句
時間を食う
「時間を食う」は、「目的を達成するまでにおもいがけず時間がかかる」という意味です。「交通事故があって通行止めで。一般道に誘導されたから時間食っちゃったよ」などと使います。
時間を割く
「時間を割く」は「余裕のない時間を何とかやりくりして、他のことのために時間を当てる」という意味です。
「原稿の締め切りは明日だったが、彼女の思いつめたような声を聞き、時間を割いて会いに行くことにした」などと使います。
時間をつぶす
「時間をつぶす」は「空いている時間を適当なことをして埋める」という意味です。「約束の時間より早く着いてしまったので、コンビニで立ち読みして時間をつぶすことにした」などと使います。
時間の問題
「時間の問題」は「結果が大体わかっていて、近いうちにそうなると思われる状態である」という意味です。
「あの夫婦、いつ会っても大喧嘩してるよね。離婚するのも時間の問題だね」などと使います。
「時間」に関連することわざ
時は金なり
「時は金なり」は「ときはかねなり」と読みます。時間は大切なものだから、無駄遣いしてはいけない、という意味です。西洋のことわざ”Time is money.”の訳語です。
「ゆきちゃんは遅刻魔で本当に嫌になる。時は金なり、という感覚がないんだね」などと使います。