「サジェスチョン」とは?
「サジェスチョン」とは、英単語「suggestion」に由来する言葉であり、「提案、提言、示唆(しさ)、暗示」などの意味です。
一般的には「提案」の意味でよく知られていますが、ニュアンスとしては「忠告」「告げ口」「入れ知恵」「ヒント」などの寓意(ぐうい)が含まれることも多い言葉ですので、扱いに注意しましょう。
表記・発音のゆれ
「サジェスチョン」は、「サジェッション」、「サゼッション」、「サゼスチョン」などと表記・発音されることがあります。
英単語「suggestion」のカタカナ語への転写としては、どれも大きな誤りがあるとは言えず、また混同しうるような単語も通常の語彙には存在しないため、基本的にはどれを使っても問題ありません。
本記事では、「サジェスチョン」に統一して解説します。
「サジェスチョン」の使い方
「提案」の意味で使う
「サジェスチョン」という言葉は、主にミーティングなどのビジネスシーンで、「提案(する)」という意味で使います。ひとまずは、「提案」と置き換えできる言葉と考えて構いません。
名詞的に使うほかに、「サジェスチョンする」とサ変動詞をつけて使うこともできます(「サジェストする」でも構いません)。
微妙なニュアンスが含まれることがある
はじめに説明した通り、「サジェスチョン」には、単に日本語で「提案する」という場合に比べて、「ヒントを与える」「何らかの方向性を暗示(指示)する」といったニュアンスが含まれることが少なくありません。
はっきり「提案」という段階までいかなくても、「こうしたほうが良いのでは?」といった、それとなく何かを相手に気づかせたり、気を引いたり、何かを唆(そそのか)すような発言も「サジェスチョン」にあたる場合があります。
「サジェスチョン」という言葉を聞いたら、その当事者の「意図」や「真意」をよく考慮したほうがよい場面もあるかもしれません。
例文
(会社員)
この人数では現場が回らないな…。もっと人員を増やすようにと、明日一番で管理部にサジェスチョンしておくよ。
(管理部)
現場からのサジェスチョンを取り入れて、来月から人員の配置と配分を一部変更することにしました。これで少し業務が効率化されると思います。
(人事部)
こういう要求を無条件で通していたら、会社全体の運営に無理が出る。次からは現場だけで何とかするように、サジェスチョンしておいて。
英語「suggestion」の使い方
英語「suggestion」の意味をざっくりまとめると、以下の通りです。
- 提案
- 暗示、示唆、ほのめかし
- 様子、気味
- 思いつき、連想
第一に「提案」の意味があり、「暗示、示唆、ほのめかし」の意味が続くのはカタカナ語の「サジェスチョン」と同様です。英語圏の方と交流があるビジネスパーソンの方は、これらの意味をしっかり押さえておきたいですね。
3番目や4番目の意味は、ビジネス用語としてはあまり登場しませんが、物事のちょっとした傾向や感覚を表せますので、使いこなせると便利です。
例文
- He made suggestion that we should lanch the program.(彼は計画を実行すべきだとサジェスチョン[提案]した)
- Her speech was full of suggestions.(彼女のスピーチは示唆に富んでいた)
- There was blue with a suggestion of white in the sky.(空は白みがかった[白気味の]青だった)
- The sound of waves carries a suggestion of my hometown.(その波音は私の故郷のことを連想させる)