マンパワーとはどんな意味なのか
マンパワーとはビジネスシーンで使われている言葉で、「労働力、人手、人材」を表す言葉です。
ビジネスシーンの中でも特に、IT業界や介護業界といった、人手不足がよく言われる業界で、「マンパワー」を使うことが多いです。
中でも近年は、IT業界で使われる傾向が強くなっていると言われています。
マンパワーとはどんな使い方をするのか
マンパワーとは名詞として、「マンパワーを投入する」「マンパワーが足りない」「マンパワーを確保する」といった使い方をします。
「マンパワーを投入する」は「労働力を投入する、増やす」という意味で、職場で働く人員を増加させることを表します。
「マンパワーが足りない」は「人手が足りない」という意味で、人材不足を表します。
「マンパワーを確保する」は「人材を確保する」という意味で、新規採用や人事異動などで新たな人材を職場に確保することを表します。
以上からもわかるとおり、マンパワーとはビジネスの中でも人材に関わる仕事をする人が使うことの多い言葉です。また「○○業界のマンパワーは……」と、特定の職場だけでなく、業界全体の労働力の問題を語るときにもマンパワーを使います。
マンパワーの例文
- 今、福祉や介護に一番必要なのはマンパワーです。
- マンパワーに頼るって言ったって限界があるよ
- こんなことにマンパワーを使ったって無駄です
- このプロジェクトには多くのマンパワーが関わっています
- 今、この業界ではマンパワーが減っている
- で、必要なマンパワーをどこから確保するつもりだい?
- うちの職場はマンパワーに頼りすぎなんだよ
- 個人の力だけでは無理だ。マンパワーを投入しないと……
マンパワーの由来とは?
実は、欧米では「労働力、人手、人材」を表すとき、マンパワーとは言わないことが多いのです。
欧米のビジネスシーンでは「マンパワー」ではなく、"Human resources"と表現するのが一般的です。
"Human"は「人間」、"resources"は「資源」を意味し、"Human resources"は「人的資源」、ひいては「労働力、人材」を意味します。
では、マンパワーとは和製英語なのでしょうか。
しかし、英語としての"manpower"という単語もちゃんと存在します。意味も、カタカナの「マンパワー」と同じです。
マンパワーとは英語由来の言葉なのです。ただ、現在の欧米ではあまり使われる言葉ではなく、もっぱら日本人が使っている言葉なのです。
マンパワーとは何が語源なのか
"manpower"の"man"は「男性」という意味が最も一般的ですが、広く人間全体や、男女関係なく「人」を表す際にも使う単語です。
近年ではジェンダーの観点から、男性を意味する"man"を、女性を含めた人間全体を表す言葉として使うのはおかしいのではないか、と主張する動きもあります。
一方、"power"には「権力、権限、力、エネルギー」という意味があり、まれに「神」という意味でつかわれることもあります。
"manpower"は「人」を意味する"man"と「力、エネルギー」を意味する"power"を合わせた言葉で、「人の力」「人のエネルギー」を指します。
ちなみに"man"には「仲間」という意味もあります。"manpower"には「仲間の力」といったニュアンスもあるかもしれません。
マンパワーとは「人力」ではない
「マンパワー」=「人の力」と書くと、日本語の「人力」と同じ意味のように考えてしまいますが、この二つは違う言葉です。
「人力」の場合、「人力車」のように、電力やガソリン、機械やコンピューターの力に対比する意味での「人の力、人のエネルギー」を意味します。機械や電気に頼らず、人間の力のみで何かを動かしたり作業をしたりする意味になります。
一方、マンパワーとはビジネスにおけるお金や設備、情報に対比する「労働力」という意味で使います。
「人力」は「人力車」のように一人や、数人を想定した言葉ですが、「マンパワー」の場合、複数の人間を、それも多くの人を想定して使われることが多いです。
マンパワーの派生語
マンパワーの派生語には「福祉マンパワー」があります。「福祉マンパワー」は福祉業界の労働力、福祉業界で働く人を指します。
福祉業界がほかの業界よりもよりマンパワーを必要とする仕事であることがわかります。
まとめ
「マンパワーを投入しないと」「マンパワーを確保しないと」と、ビジネスシーンでは「マンパワー」が多用されます。
しかし、「マンパワー」という言葉の向こう側にあるのは、ただの資源ではありません。生身の人間です。「マンパワー」という言葉を使う時には一歩立ち止まって、「生身の人間をビジネスの資源として使う」ということを思い出すのが、今の時代に必要なことなのかもしれません。