「ご海容」とは?意味や使い方をご紹介

「ご海容」という言葉をご存知でしょうか。「海」が入っているので、夏やマリンスポーツに関連しているのではと考える方もいるかもしれませんね。実は、文書や手紙、メールなどで用いられる堅い表現なのです。こちらでは「ご海容」の意味や使い方を類語を交えて説明しています。

目次

  1. 「ご海容」の意味とは?
  2. 「ご海容」の使い方
  3. 「ご海容」の類語

「ご海容」の意味とは?

「ご海容」とは、相手が寛大な気持ちで不始末や失敗をお許しになるという意味です。「ご」は名詞の前について、相手への敬意を表す接頭語です。

「海」は海のように程度が広く大きいこと、「容」は許すことを表しますから、「海容」は「寛大な気持ちで許す」ことだと分かります。

「ご海容」の使い方

「ご海容」は、通常話し言葉ではあまり使われません。主に手紙、メールなどの書き言葉で用いられます。特に、目上の方にかしこまって出す私信や、仕事で顧客や取引先相手に使う表現ですが、現在では目にする頻度が少なくなっています。

【使用例】

  • 差出人側が相手に失敗や非礼を詫びる…ご海容ください
  • 相手に恐縮しながら理解を求める…ご海容いただきますようお願い申し上げます
  • 相手が快く許したことへのお礼…ご海容いただきありがとうございます

「ご海容」を使った例文

【例文】

  • 先日はご挨拶もそこそこに大変失礼いたしました。どうかご海容くださいませ。
  • こちらの不始末をご海容くださり、恐縮しております。また、改めてご挨拶に伺います。
  • ご注文の商品が破損していたとのこと、誠に申し訳ございませんでした。再度検品済みの商品を発送しましたので、ご海容の程お願い申し上げます。
  • ご予約の〇〇は天候不良による配送遅れが予想されております。ご迷惑をおかけしますが、あしからずご海容ください。
  • メールは24時間365日受付しておりますが、問い合わせの御返事は長期休暇以降となります。ご海容賜りますようお願いいたします。

「ご海容」の類語

目上の方への改まった手紙やビジネス文書などの書き言葉で用いられる「ご海容」の類語を紹介します。

ご容赦

「ご容赦」(ごようしゃ)とは、相手が人の無礼や失敗などをとがめないでお許しになること、もしくは、手加減してくださることです。

相手の希望に添えない場合に角を立てずに断りを入れたい時、非礼があった場合に相手に許しを願う気持ちを込めて「ご容赦ください」「ご容赦いただきたい」のような形で用います。

意味としては「大目に見て許してください」ということですが、謝罪で使う場合は、「大目に見ろだなんて図々しい」ととらえられる可能性もあるので、「申し訳ない」などの謝罪表現と一緒に使うと良いでしょう。

【例文】

  • 先日の会合の数々の不手際があり、誠に申し訳なく思っております。どうぞご容赦ください。
  • 在庫僅少のため、複数のご注文はご容赦いただきますようお願い申し上げます。
  • 訳あり品のため、外箱の一部の変形や、商品ラベルの破損、商品の細かいキズなどを理由にした返品や交換はご容赦くださいませ。

ご寛恕

「ご寛恕」(かんじょ)とは、相手への思いやりがあること、もしくは、広い心の持ち主で相手の間違いをお許しになることです。「寛」は、ゆるやかで気持ちにゆとりがあること、心が広いことで、「恕」は相手の立場を察すること、思いやりの心があることを表します。

「ご寛恕」はこちらから相手に非礼があった場合や、過ちがあった場合許しを願う時や、許してもらった時に感謝をする時に使われます。

ご寛恕ください」という場合は「あなたの広いお心でどうかお許しください」、「ご寛恕を請う」であれば「お許し願う」、「ご寛恕を賜る」なら「お許しをいただく」という意味です。

【例文】

  • 息子がホームランを打ってお宅様のガラスを割り、申し訳ございませんでした。どうかご寛恕ください。
  • せっかく訪ねていただいたのに、留守にしていて申し訳ありませんでした。ご寛恕を請う次第です。
  • 納品した物の中に故障があったにも関わらず、ご寛恕を賜り感謝しております。


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