「重責」の意味とは?
重責という名詞には、重い責任という意味があります。このうち、責任とは自らが行うべき義務のことです。
したがって、重責は大きな義務と言い換えることもできます。
「責任」や「義務」に意味・使い方が近い
重責は「責任」や「義務」とかなり近い関係にある言葉ですので、使い方も似ています。
たとえば、責任や義務の後にはしばしば「(責任を)果たす」「(義務を)負う」などの動詞が続きますが、重責の場合も同様に「重責を果たす」「重責を負う」などと表現できます。
「重責」をたとえると「大きな荷物」
重責はしばしば「大きな荷物」にたとえられます。重責を「担って」みたり「負って」みたり、ときには「耐えて」みたりするのは、そのようなわけがあるのです。
分かりづらい場合は、両肩に重責という名の大きな米俵を担いで歩いている様子を想像してみてください。あるいは、30kg~40kgもある装備を背負って登山をしている様子でも構いません。
すると、抽象的な重責の意味を具体的にイメージすることができるのではないでしょうか。それでも難しいという方は、記事のトップにあるウェイトリフティングの画像をご参考に。
「重責」の使い方・例文
- 日本代表監督という重責から解放されて、彼は悠々自適の生活を送っている。
- はたして、彼女は従業員1,000人の雇用を守る重責に耐えられるのだろうか。
- グループ企業の総帥という重責を担うには、生半可な覚悟ではつとまらない。
重責を使うにあたっては、「重い責任」か「大きな義務」のどちらかに重きを置いてみるのがよいでしょう。また、なぜ重いのか、何がどう大きいのかを押さえておくのも大切です。
上の例文では、順に日本代表監督、従業員1,000人の雇用を守る、グループ企業の総帥(という役職)、がそれぞれ重責にあたります。これらは、自分ひとりのみならず、多くの人々の夢や希望、命や生活がかかっているのが共通点です。
「重責」の関連語
- 重役(じゅうやく、おもやく)…責任の重い役職。
- 大役(たいやく)…重大な任務。
- 重荷(おもに)…負担となるようなこと。
- 責務(せきむ)…自らの責任で果たすべきこと。
- 職責(しょくせき)…職務上の責任。
- 使命(しめい)…与えられた重要な任務。
これらの関連語は、大きく二つのグループに分けることができます。上の三つは「重い」という意味合いに焦点が当たっています。
一方、下の三つは「責任」や「義務」の意味合いに重きが置かれている点がポイントです。一見するとよく似ていますが、それぞれのニュアンスをよく理解して使い分けましょう。
関連語を用いた例文
- 私には、会社の浮沈を左右する重役などとても務まりそうにもありません。
- プロジェクトリーダーという大役を任されて、正直悪い気はしなかった。
- 一年間、クラス会長を務めてきたが、本音を言えば重荷でしかなかった。
- 具体的な人事は、組織の長であるあなたの責務として行われるべきものです。
- 周囲の人にどう思われようとも、私は高校教師としての職責を果たすだけだ。
- 我々には後世に伝統工芸の素晴らしさを受け継いでいく使命があるのです。
「重責」を英語で表すと?
重責は英語で「a heavy responsibility」や「an important duty」で表現することができます。
これらの直訳は、それぞれ「重い責任」と「大きな義務」ですから、冒頭で説明した「重責」の意味内容とぴったり合致します。
英語表現を用いた例文
- You have to endure the heavy responsibilty.(あなたは、その重責に耐えていかねばなりません)
- We have performed an important duty since then.(それ以来、我々は重責を果たしてまいりました)