「若干」の意味
「若干(じゃっかん)」は「それほど多くはない、不定の数量」を意味します。
「若」は「若い」=「年齢が少ない人」を意味し、「干」は「干ばつ」「干潟」などで使われるように「乾いたさま」=「水分が非常に少ないさま」を意味します。つまり、どちらも「少し」であるということを表しています。
「若干」の使い方
「少ない数」「わずかなこと」を意味する「若干」は次のように使います。
- 若い世代の収入が、若干目減りしているようだ。
- 今回は若干名を採用する予定です。
- サッカーでは、彼は兄よりも若干優れている。
- 見た目に若干の違いはありますが、品質に問題はありません
たとえば「若干名を採用」は、中小企業であれば2~3人かもしれず、大企業であれば20~30人という可能性もあります。「見た目の若干の違い」も、観察力の優れた人にとっては全く別物に見えるような大きな違いかもしれません。
つまり、「若干」という言葉は、使う人の主観がある程度反映される性質を持つ言葉であると言えるのです。数が少ないこと、わずかだという事を示す上で使い勝手は良いですが、一方で受け取る側は「どの程度なのか」を自分で判断する必要があります。
「弱冠」の意味と「若干」との違い
数が少ないことを表す「若干」に対し、「弱冠」は「年齢が若いこと」「20歳の男性」を意味します。もともとは「弱」の一語で20歳という意味があり、中国は周の時代に、男子が20歳で冠をつける儀式をして成人とされたことが由来です。
英訳した場合でも、「若干」は「slightly(わずかな)」「a little bit(少し、ちょっと)」などとなりますが、「弱冠」は「only ○○ years old」など年齢の若さに言及した訳があてはまります。
現在は女性に対しても「弱冠」が使われる場合がありますが、本来の意味からすれば間違った用法です。また20歳でない男性に対して使用することをよしとする説もありますが、否定的な意見も根強くあります。