「荘厳」とは?意味や使い方を英語表現も含めてご紹介

「荘厳な寺院」「荘厳な雰囲気」のように使う「荘厳」という言葉が、もともとは仏教用語であることをみなさんはご存じでしょうか。今回は、仏教用語としての「荘厳」、そして一般的に用いる「荘厳」の意味嫌使い方を、英語表現も含めて紹介します。

目次

  1. 「荘厳」とは?
  2. 「荘厳」の使い方
  3. 「荘厳」の類語
  4. 「荘厳」の英語表現

「荘厳」とは?

「荘厳」には、(そうごん、しょうごん、そうげん、しょうげん)など多様な読み方があります。仏教用語の場合は(しょうごん)、日常の言葉として使う場合は(そうごん)と読むのが一般的です。

「荘厳」には次のような意味があります。

  1. [仏教用語]智慧、福徳、相好などの善いことや美しいことで仏の身や浄土を飾ること
  2. [仏教用語]仏像、仏堂、堂塔などを美しく厳かに飾ること。また、その装飾具
  3. 重々しく厳かで立派なこと

意味1や2の仏教用語としての「荘厳」は、サンスクリット語のアランカーラの訳語に由来します。わたしたちが日頃使うのは、そこから派生した意味3の「荘厳」です。

「荘厳」の使い方

仏教用語の「荘厳」

上記の意味1や2の仏教用語としての「荘厳」は、名詞や形容動詞としてだけでなく、荘厳するという動詞形でも用いられます。

【慣用表現】

  • 信は荘厳より起こる…美しく立派に飾り付けた仏堂、寺院などを見ることで信心もまた啓発されるものだという意味。形式によって内容が導き出されることの例え。
  • (仏壇などにおいて)荘厳を行う…飾りつけをして本尊をまつること。

【例文】
  • 篤い帰依の心で荘厳された仏堂は、そこに入るだけで清められる気がするものだ。
  • 真善に生きるということすなわち荘厳だといえよう。

なお、寺社仏閣に対して「荘厳な雰囲気」と言う場合の「荘厳」は、仏教用語ではありません。意味3の「重々しく厳かな」という意味の、一般的な言葉です。

一般的な「荘厳」

仏教用語の「荘厳」は、智慧や福徳で身を飾る対象が人間である場合もありますが、意味3の「荘厳」は人間を対象としません。

ほとんどが「荘厳な」という形容動詞のかたちで、立派で厳かな宗教的建物や美術、音楽、おおいなる自然を感じる風景などに対して使います。

どんなに立派で重々しいものであっても、そこに「厳かさ」がなければ「荘厳」とは言いません。たとえどんなに立派で重厚感があっても、奇抜でポップな建築物に対して、「荘厳」は使いがたい言葉です。
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【例文】

  • 宮島の厳島神社を初めて訪れたときは、その荘厳な雰囲気に圧倒されてしまった。
  • 荘厳な音楽が鳴り響くなか、王の戴冠式がはじまった。
  • 水平線から登る朝日の荘厳さに、気づくと涙していた。

「荘厳」の類語

ここでは意味3の「荘厳」の類語を紹介します。

崇高

崇高(すうこう)は、「気高く尊いこと。また、そのさま」を言います人間の性質における特質を表す言葉ですが、「崇高な雰囲気の~」などの使い方で、建造物や自然などにも用いることが可能です。

【例文】教会の崇高な雰囲気にひたると、心が洗われるようだ。

荘重

荘重(そうちょう)は「雰囲気が厳かで重々しいこと。また、そのさま」を意味する言葉ですおもに、建造物や音楽、場の雰囲気などに用いられます。

【例文】式典は荘重な雰囲気のもとに執り行われた。

「荘厳」の英語表現

英語には、畏敬、畏怖を意味する'awe'という名詞があります。「荘厳」に相当する英語として、この'awe'から派生した言葉を挙げます。

'awe-inspiring'や'awesome'は、ともに「厳かな畏怖の念を抱かせる」という意味を持つ形容詞です。ただし、後者は「すごい・最高な」などの意味で俗用されることがあるので、前者の方が適しているかもしれません。

【例文】

  • I was overwhelmed to see the awe-inspiring religious painting.(荘厳な宗教画を目にして圧倒されてしまった。)
  • What a awesome temple!(なんて荘厳な寺院なんだ!)


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