「厳か」とは?意味や使い方をご紹介のイメージ

「厳か」とは?意味や使い方をご紹介

「厳しい」「厳禁」「厳重」のように使われる「厳」という漢字。見た目も硬く、いかにも厳しそうな印象を受けます。が、この「厳」に送りがなをつけて「厳か」となると、厳しさとはまた違ったニュアンスが生まれます。ここでは「厳か」の意味と「厳」という漢字について解説します。

目次

  1. 「厳か」の読み方と意味は?
  2. 「厳」という漢字
  3. 「厳」の読み方あれこれ
  4. 「厳」は聖なる文字?
  5. 「厳か」のまとめ

「厳か」の読み方と意味は?

「厳か」は形容動詞。「おごそか」と読みます。漢字の「厳」に送りがなの「か」をつけて「おごそ-か」です。「厳か」の意味をザッとまとめると、「重々しく、堂々として、近寄りがたいほど立派で、格式のある様子」となり、「厳か・だ」「厳か・な神社」「(式典などが)厳か・に行われる」といった使い方をされます。

ところでこの「厳」という漢字、いわれてみれば画数も多く、いかにも重厚な感じで、厳しさと同時にまさに「おごそか」な雰囲気も感じませんか? そこで、まずは漢字の「厳」ついて、意味や成り立ちやお伝えしたいと思います。

「厳」という漢字

「厳」の旧字体は「嚴」です。「嚴」の略字として「厳」が用いられるようになり、そのまま一般化しました。「厳」は常用漢字(内閣が定めた一般生活において汎用性があると思われる漢字)であり、教育漢字にも採択されています。教育漢字(学習漢字とも)とは、文部科学省が小学校で学ぶよう定めた漢字の通称です。

2017年に改定された小学校学習指導要領(2020年4月施行予定)の「学年別漢字配当表」を見ると、総数は1026字。「厳」は6年生で習うことになっています。ただし、「厳」には大人でも全部は答えられないほど複数の読みがあって、小6で習うのは「厳しい」という読み方。今回のテーマである「厳か」を学ぶのは中学に上がってからです。

「厳」の読み方あれこれ

「厳」は音読みでは「ゲン」「ゴン」、訓読みでは送り仮名をつけて「きび-しい」「おごそ-か」「いか-つい」「いかめ-しい」などと読みますが、このうち常用漢字表に記載されているの読みは「ゲン」「ゴン」「きび-しい」「おごそ-か」のみで、「いか-つい」「いかめ-しい」は常用漢字表外の読み方となっています。

ほかにも「厳」単体で「いつ」、送りがなを伴って「いか-い」「いこ-う」「いつか-し」「いつく-し」といった読み方もありますので、興味のある方はそれぞれの用法について調べてみるのも面白いのではないでしょうか。

「厳」は聖なる文字?

さて、「厳格」「厳重」「厳禁」「厳寒」「厳守」といった具合に、「厳しさ」を表す場合に用いられることが圧倒的に多い「厳」。この文字に、今回のテーマである「厳か」をはじめ、「荘厳」「厳粛」「威厳」のような、重々しく、堂々として、近寄りがたいほど立派で、格式のある……どこか神聖な印象さえ与える意味が込められているのは、どのような理由があるのでしょう? どうやらこれには「厳」という字の成り立ちが関係しているようなのです。

「厳」の成り立ち

「厳」という字を分解すると、「ツ」(つかんむり)の下に、「厂」(がんだれ)があり、そのなかに「敢」(カン)が来ます。「厂」は切り立った崖を表した象形文字で、内側は刳り貫かれて空間が出来ています。

そこに置かれた「敢」の字は複数文字の組み合わせですが、こちらも象形で、人が占いのような儀式を行っているさまを表しているというのです。切り立った崖……高い山は、古来、神の棲む場所とされてきました。

まさしくおごそかな……「厳」

元を辿れば「厳」の字は、古代中国の青銅器に刻まれた、今よりさらに象形的な古字でした。つまり、「厳」は大昔からすでに神聖な意味合いを持った漢字ということになり、だからこそ現代まで「厳か」をはじめとする用法が伝わっていると考えて間違いないのではないでしょうか。

ちなみに、先にお伝えした「厳」単体で「いつ」と読ませる場合の「いつ」は、「斎(い)むこと」「神聖なこと」を意味します。「斎む」は「穢れを祓うために身を清める」ことを指しています。

「厳か」のまとめ

以上、「厳か」という表現と、「厳」の字が持つ多くの読み方やその成り立ちについてお伝えました。使い方は数あれど、「厳」の持つ意味は「きびしい」ことと、神聖さを覚えるぐらい「重厚で、立派で、格式ある」様子、この二つに大別されるといってよいでしょう。


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