「様子」の意味
「様子」とは、ごくシンプルに言えば「ありさま」のことですが、以下のとおり複数の定義・意味を持つ言葉です。
- 物事のありさまや状況
- 身なりや容姿
- 事情・わけ
- 物事の兆しや気配
- 態度やそぶり
「様子」の使い方
【物事のありさまや状況】
- 妹が家出をしたため、僕は急遽帰省した。まずやったのは、前日の妹の様子を両親や友人たちに聞いてまわることだった。
- 念のため支店の様子を見てきたが、あちらは何の問題もないようだ。
【身なりや容姿】
- ニューヨーク支店に10年務めた鈴木君は、まるでセレブのような様子で帰郷した。
- 十数年ぶりに再会した友人の立派な様子に、つい気後れしてしまった。
【事情・わけ】
- 深夜の新宿を歩いていて警察に声をかけられた女子高生は、様子ありげな顔つきでうつむいてしまった。
- 何かしらの様子があるのだろうが、かといって見過ごすわけにもいかない。
【物事の兆しや気配】
- 夕方に突然訪ねてきた旧友は、帰る様子もなく、私を内心おおいに戸惑わせた。
- 何やら不穏な様子の男が二人、向かい合って座っている。
【態度やそぶり】
- 登山の途中、叔父に疲れた様子が目立ってきたので、ひとまず登山道のわきで休憩をとった。
- 男は落ち着き払った様子で足を組むと、私の目をまっすぐ見据えた。
「様子」の類語
「様子」が多義的な言葉であることを反映し、その類語は実に数が多く、意味も多様です。そのなかから、代表的なものを挙げていきます。
【状態】
人や物事の、変化しうるその時々の、ある時点での性質・ありさま・様子のこと。「態」は、対象物そのものの様子を表す字。(例:長らく入院していた祖父だが、状態が改善し、先週無事に退院した)
【状況】
人や物事の、変化しうるその時々の性質・ありさま・様子のこと。「況」は、まわりの様子を表す字。(例:上半期の株価の状況は、乱高下の連続だった)
【形勢】
なりゆき。その時々の勢力の優劣の状態や関係のこと。(例:セクハラ被害にあった女性が裁判に訴えた場合、不利な状況が長く続いてきた。しかし昨今は、女性にとって有利な形勢の判決例が増えてきた)
【身なり】
人の外見。とくに、衣服を着用した際のありさま。(例:都心の高級ホテルのレストランで食事をする際は、身なりに十分に気を付けなければマナー違反となる)
【雰囲気】
その場や、ある人に醸し出されている気分・ムード。(例:女優のA子は、美しいだけではなく、なんともいえない物憂げ、切なげな雰囲気が、その人間像に奥行をもたらしている)
【気分】
ある状況により感じる心持ち。その場の雰囲気。(例:友人たちが誕生日を祝ってくれて、幸せな気分になれた一日だった)
【佇まい】
ものの有り様。その場のものが醸し出す雰囲気。(例:すっかり観光地化されたとはいえ、京都も大原あたりまで足をのばすと、いまだ古都の佇まいを楽しむことができる)
【容態】
病気の状況。(例:入院していた叔母は、容態が安定しなかったが、先月に入って急速な回復をみせた)
【態度】
人が物事に対した時に感じるものが、そぶりや表情、言葉などに反映され現れたもの。(例:バイト先で再会したかつての友人の態度がつっけんどんで冷たく、私は戸惑うばかりだった)
【フィーリング】
なにかから受ける感じや感覚のこと。(例:なんとなくフィーリングが合うと思ったとおり、彼とは自然に交際がはじまり、結婚する運びとなった)
「様子」の関連語「様子見」
「様子見」とは、事態に動きがあるまで、あえて状況を静観することです。なにごとも、性急に行動に移さず、じっくりと様子見することは、成功の秘訣の一つかもしれません。
- 例:株価が下落しつづけているが、こういう時こそ慌てずにじっくり様子見することが肝心だ。