「SNS」とは
「SNS」とは「(Social Networking Service(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)」の略です。「Social」とは社会という意味です。人と人とがつながる点が特徴です。
以下で詳しく解説します。なお、国によって状況は大きく異なるため日本についての解説です。
「SNS」の登場
「SNS」が登場したのは2005年ごろのことです。それまでの(業務用システムなどを除く)一般ユーザーのインターネットの主な用途は、オープンな情報発信(ホームページ、掲示板、ブログなど)と、通信(メールなど)でした。
そういった中で「閲覧できる人が限られる」「匿名で、趣味などでつながる友人やコミュニティをつくることができる」といった特性を持つ「SNS」が登場しました。日本で最初に広く普及した「SNS」は、2019年1月現在スマホゲーム「モンスターストライク」を運営している株式会社ミクシィの「SNS」mixiと、スマホゲームサイト「GREE」を運営しているグリー株式会社の「SNS」GREEです。
「SNS」の共通点(2019年1月)
「SNS」は多種多様なため、全てが当てはまるわけではありませんが、概ね以下のような共通点があります。
コミュニティ形成
「SNS」では、アカウントどうしのつながりを構成することができます。「友達」のように相互的につながりをつくるタイプもあれば、「フォロー/フォロワー」のように一方的な関係をつくることができる場合もあります。グループを形成したりイベント情報を作って友達を招待することができる「SNS」もあります
投稿機能
「SNS」には「投稿機能」があります。この投稿は友達やフォロワーが閲覧できます。投稿の「公開設定」によっては、友達やフォロワーでなくても閲覧が可能です。
他アカウントによる投稿は「タイムライン」「ニュースフィード」等と呼ばれる画面に表示されます。これらは、自分の友達/フォローしているアカウントによる「投稿一覧」です。
この「投稿一覧」は必ずしも時系列に沿っているわけではありません。「SNS」は、各サービスにおける人間関係や投稿内容・閲覧内容・投稿への反応(後述)などから情報分析をしています。この分析により、表示される情報を順序変更をしたり取捨選択している場合があります。
「SNS」では、他アカウントによる投稿に対して反応することができます。典型的なものは「いいね」です。Facebookの「シェア」やTwitterの「リツイート」のように、他アカウントによる投稿を自分の友達やフォロワーに広める機能もあります。
ハッシュタグ
各サービスへ投稿されている内容はキーワード検索ができるものが多いですが、より閲覧性を高めたり、あるテーマについての情報をまとめるための「ハッシュタグ」という機能があります。ハッシュタグはキーワードの前に「#」をつけて使うものが多いです。
ハッシュタグで有名なものとしては、2011年3月11日の東日本大震災の際、対応に追われていた枝野幸男官房長官(当時)に対する励まし・気づかいとして「#枝野寝ろ」という投稿が相次いだ事例などがあります。国際的な社会運動にまで広がった「#MeToo」もあります。
メッセージ機能
広い範囲への投稿ではなく個別アカウント間でやりとりをする「メッセージ」機能もあります。FacebookやLINEのように音声・ビデオ通話機能を備えている場合もあります。
ただし、メッセージ、グループチャット、音声・ビデオ通話機能を備えているSkypeは、通常は「SNS」に含まれません。また「pixiv(ピクシブ)」「note」などのように投稿機能や一定のコミュニティ形成機能を持つサービスもありますが、これらは「SNS」に比べ「投稿者と閲覧者」という一方的な関係が強いサービスです。
以上から「SNS」の要件は「Social」、つまりサービスを通した人間関係やコミュニティ形成の部分にあると考えられます。
「SNS」のビジネスモデル
「SNS」は無料で使えるものがほとんどで、収益は広告から得ています。「タイムライン」や「ニュースフィード」の投稿の間に、既に述べたような 状況分析により各ユーザーが関心を持ちそうな広告が表示される仕組みです。ただしLINEのスタンプなど有料サービスで収益を得ている場合もあります。
主要「SNS」と特徴(2019年1月)
短文投稿機能をメインとしています。情報拡散力に優れる一方、炎上リスクが高いサービスです。
通常は実名でアカウント登録している点が特徴です。個人ユーザーではなく、団体・事業者に適した「Facebookページ」というサービスもあります。Facebookページは、Facebookアカウントを持っていなくても閲覧できるため、ホームページやブログの代替のように使われることもあります。
Facebook傘下の「SNS」です。画像投稿をメインとしている、URLリンクが設置できない、「リツイート」「シェア」のような情報拡散機能がないなどの特徴があります。
LINE
通話機能に加え、個人間やグループでもメッセージのやりとりの手段として普及しています。投稿機能「タイムライン」もあります。メッセージに使う「スタンプ」を販売したりアプリ内にゲームなど他サービスが含まれている点も特徴です。
団体・事業者(有名人含む)向けの有料アカウントや、友達数に制限があるものの比較的安価なため広まっている、事業者向けサービス「LINE@(ラインアット)」があります。これらはターゲットユーザーに友達になってもらう必要がある一方、投稿の際に相手に通知が届くため閲覧してもらいやすい仕組みになっています。
その他の「SNS」
人材系SNSとも言われる「LinkedIn(リンクトイン)」、Googleのアカウントがあれば利用できる「Google+」、動画投稿の「TikTok」などがあります。
【コトバの意味辞典】「SNS」関連用語集
【「SNS」関連用語集はこちら】
https://word-dictionary.jp/tag/SNS
「SNS」まとめ
日本で最初に普及した「SNS」サービスであるmixi、GREEは、日本に新規参入した海外発の「SNS」サービスの広がりに伴い、ゲームなど他サービスに軸足を転換しました。このように「SNS」は新規サービスの出現や衰退も激しい状況です。世界中に多数のユーザーがいても収益に問題を抱えている場合もあります。
また、ハッシュタグ活用などにより「SNS」が社会運動の媒体になることもあります。これは一方的だった新聞やテレビしかなかった時代や、情報が手軽に拡散されず、いちいちブログを見にいかないと情報を得られなかった時代にはなかった面です。一方、個人情報の扱いが大きな問題に発展することもあります。
メリットとリスクを考慮しながら付き合っていくことが望ましいでしょう。