「レベチ」とは
「レベチ」は、「レベルが違う」を略した言葉で、ある物事が他の比較対象よりもはるかに優れている様子を表します。2015年頃から女子高生の間で流行したのち、SNSなどを通じて若者たちに広く使われるようになりました。
「レベル」はゲームなどでもよく用いられますね。英単語「level」に由来するカタカナ語で、「段階」や「程度」などの意味を持ちます。
はるかに優れたことを表すのに「格が違う」「桁外れ」といった言葉を使うよりも、身近な「レベル」という言葉を使った表現の方が、若者達には好まれたのでしょう。
「レベチ」の使い方
上で説明したとおり、「レベチ」はレベルが優れていることを表します。「Aさんはほかの同期入社の者とはレベチだ」であれば、Aさんは同期の中でもずば抜けて優秀であるという意味です。桁外れに劣っているという意味ではないことに注意しましょう。
また、「レベチ」を用いる文章では、先のAさんの例のように、何のレベルについての話なのかが明確にされない場合も多くあります。その際は、優れている点や比較対象を文脈から読み取らなければなりません。
なお、「レベチ」が指す「レベル」は、成績のように数値化されたものだけに限りません。優れていると思う、という話者の主観に依って用いられます。
【例文】
- 先日デビューしたばかりのガールズグループは、歌唱力もダンスもレベチだ。
- ネットゲームをしていると、レベチのプレイヤーに出くわしてすぐに負けてしまう。
- クイズ番組で話題のクイズ王は知識量がレベチで、他の解答者はまったく太刀打ちできない。
- 動きがレベチな選手がいたので、一目でこの選手が金メダルを取るだろうと予想出来た。
「レベチ」の関連語
ここでは「レベチ」と同じように、優れている様子を表す言葉で「○○違い」の略語として認知されているものを例文を用いて紹介します。
ダンチ
「ダンチ」は、「段違い」を省略した言葉です。「段違い」は、能力や品質などに大きな差がある様子を言います。多くの場合、「ダンチ」や「段違い」は、レベチと同じく、対象よりもはるかに優れていることを表します。
たとえば、「A選手の投球は昨シーズンとはダンチだった」であれば、昨シーズンとは比べものにならないほど素晴らしい投球を見せたという意味です。
ジゲチ
「ジゲチ」は、「次元が違う」を省略した言葉です。「次元が違う」とは、技量や才能などがあまりにもかけ離れている様子を言います。ポジティブに用いるので、「Aちゃんの可愛さはジゲチ」であれば、Aちゃんはとてつもなく可愛いという意味です。
「ジゲチ」は「レベチ」と同じように使えますが、「ジゲチ」の方が、比較したときの差が大きいことを表すようです。
「レベチ」の英語表現
「レベチ」、つまり「レベルが違う」を英語で表現する際には、「not in the same league」(同じ部類ではない)や「be on another level」(別のレベルにある)などの慣用句を使うと良いでしょう。
また、「A can't touch B」(AはBには適わない)も「レベチ」の英訳として用いられます。「touch」は触る・接触すると訳される機会が多いですね。しかし、匹敵するという意味もあり、通常は否定形を伴って、比較にならないほど優れていることを表します。
【例文】
- I think Roger Federer is not in the same league[on another level] as another tennis players in the world. (ロジャー・フェデラーは世界中のテニスプレイヤーとはレベチだと思う。)
- In my town, no one can't touch him in the SF shooting game.(SFシューティングゲームにおいて、彼は地元ではレベチだ。)