「鬼電」の意味
「鬼電」(おにでん)とは、「鬼電話」の略語で、何度も何度もしつこく同じ相手に電話をする様子、あるいはしつこくかかってくる電話を表した言葉です。
ここで言う「鬼(おに)」は、いわゆる若者言葉で「異常なほど」や「けた外れた」といった意味を示しています。
一昔前には、「鬼電」がギャル語として認知されていました。しかし、最近はSNSのメッセージ機能の充実などにより電話をする機会が減ったため、この言葉を「死語」と感じる人も増えつつあるようです。
「鬼電」の使い方
「鬼電」は、しつこい電話のことだとはいえ、何回かければ鬼電になるのかの明確な定義はありません。あくまで電話を受けた側が「しつこい!」と感じて決まることが多いです。ただし先述した「鬼」の意味を踏まえると、2~3回の着信ではとどまらないでしょう。
「鬼電」をかける、あるいはかけられる状況はさまざまですが、友人や恋人、親子など、あまり遠慮のいらない、親しい間柄でのやりとりが目立ちます。
「鬼電」をする側は何らかの意図があって必死にかけ続ける、かけられた側は度重なる着信通知を見てうんざりしている、というシーンは想像しやすいのではないでしょうか。
例文
- 学生時代は友達と夜遊びに行くと、いつも母親からの鬼電でうんざりしていたことは苦い思い出だ。
- 飲み会でしばらく携帯電話を見ていなかったら、着信履歴が彼氏からの鬼電で埋まっていて怖くなった。
- 鬼電してくる人は、自分の都合を無理やり押し付けたり、相手のことを過剰に心配したりしていることが多い。
「鬼電」の英語表現と例文
「鬼電」を一言で表す英語はありません。近いニュアンスを英語で表現しようとする場合は、「annoying」(迷惑な)に、「繰り返し」を意味する「repeat」や「again」などを組み合わせるとよいでしょう。
また、「何度も何度も電話する」ことを「again and again」を使って表すこともできます。
- repeated annoying phone calls (繰り返される迷惑な電話)
- call 〇〇 again and again (〇〇にしつこく電話をかける)
さらに、しつこく電話をかけてくる人の様子を「needly(かまってちゃん)」と表したり、慣用句を使って「ring off the hook(電話が鳴り止まない)」と表現することもあります。
例文
- My girl friend and I broke up because she gave me repeated annoying phone calls every night.(彼女からの、毎晩の鬼電話が原因で別れた。)
- I was sick of calling from my boss again and again even though it was weekend.(週末にも関わらず上司からの鬼電話があり、うんざりしてしまった。)
アプリの「鬼から電話」
『鬼から電話』というスマートフォンアプリをご存じですか?このアプリは子育て向けで、鬼をはじめとした怖いキャラクターが仮想電話をかけて言うことを聞かない子供を叱ってくれたり、妖精などが子供を褒めてくれたりするものです。
親子のコミュニケーションアプリとして人気があるので、現代では「鬼電」と言うと、このアプリを一番に思い浮かべる人もいるかもしれませんね。