「死語」とは
「死語」とは、以前は使われていたが、現在は使われていない言葉のことです。流行になる言葉とは、ドラマのセリフだったり、ファッション用語だったり、芸人のネタだったりと、いろいろあります。「死語」を聞けば、「あ、そんな言葉があったなあ」と当時を思い出すことができます。
「死語」となった言語
「死語」は、かつては使用されていたが、現在では絶滅または絶滅の危機に瀕している言語でもあります。「話せる人がいない言語」「書ける人がいない言語」「完全に途絶えてしまった言語」の3種類に分類することができます。
たとえば、「ラテン語」「古典アラビア語」「古典ギリシャ語」などは、文章としては使われていますが、話せる人はほとんどいません。「ゴート語」「プロシア語」「トカラ語」などは、過去に使用されていた形跡はあるのですが、現在では絶滅してしまっています。
日本の方言にも、いまや古老しか使っていないものもあり、近い将来の「死語」化が懸念されています。
「死語」の使い方
人は等しく年を取り、足腰が弱くなったり、体力がなくなったりと変化が生じます。しかし、中身が若々しい人は、昔流行った言葉を使うことがあります。そんなときには、周囲から「それ、死語だよ」と指摘されてしまうかもしれません。「死語を使うのは古臭い」「死語もいいけど、死後の心配もしましょう」などと追い打ちをかけれてしまったら、ガックリと肩を落としてしまいそうです。
消えていった言葉たち
では、現在使われなくなった言葉には、どんなものがあるのでしょうか。ここでは、いくつかご紹介します。
チョベリバ
「チョベリバ」とは、「チョーベリーバッド」の略で、「超very bad」と英語にすると、わかりやすかもしれません。とても悪いという意味です。1990年代後半、女子中高生を中心に流行した言葉です。テレビドラマ「ロングバケーション」でも使用され、流行語大賞にも入賞するなど、知らない人はいないというほどの人気ぶりでした。派生語の、「チョベリグ(とてもよい)」がありますが、ともに死語となっています。
オマエモナー
「オマエモナー」はインターネット掲示板、2ちゃんねるで使われていたネットスラングです。2000年頃、2ちゃんねるでは「オマエモナー」という、猫のようなキャラクターのAAが流行りました。「オマエモナー」は正式名称で、通称は「モナー」と呼ばれます。AAのみならず、スレッドで誰かを煽るときに「おまえもな」に代えて「オマエモナー」と書き込むことも習慣のようになっていました。
ネットスラングは、流行の回転がとても速く、わずか数年前までは使われていた言葉が、いつの間にか死語になっているということもあります。また、「2ちゃん用語」や「猛虎弁」など、新しい言葉が日々生み出されているのも特徴です。
でもそんなの関係ねぇ
「でもそんなの関係ねぇ」とは、お笑い芸人の小島よしおさんの、代表的なネタで使われるセリフです。裸で何度も拳を振り下ろす姿はインパクトがあり、一時はテレビに引っ張りだこでした。「でもそんなの関係ねぇ」といえば小島よしおさんを連想し、小島よしおさんといえば「でもそんなの関係ねぇ」のネタを連想したほどです。
しかし、最近ではピーク時よりも露出が減り、ネタを見る機会も少なくなりました。お笑いの世界は入れ替わりが激しく、毎年のように新人さんがテレビに登場します。視聴者に飽きられないよう、新ネタも考えなければなりません。とても厳しい業界であることが想像できます。
「死語」の特徴
「死語」には、当時を振り返ることができるという特徴があります。たとえば、「チョベリバ」と聞けば、ガングロギャル、ルーズソックス、女子中高生、90年代などと、いろんな情報が連想され、当時の経済状況や、社会情勢、国民の生活様式などにも思い馳せることができます。そして、「あの頃が懐かしいなぁ」「いい時代だったなぁ」と懐かしんだり、感傷に浸ることもあるかもしれません。
現在でも通用しそうな「死語」はある
思い出や懐かしい気持ちを呼び起こせることも魅力的ですが、「死語」にはユニークなものが多く、使いどころさえ押さえれば、いまでも通じそうなものがあります。たとえば、「すっとこどっこい」は相手をののしる言葉ですが、「アホ」「バカ」「マヌケ」と罵倒するよりも、ソフトな印象を与えます。
この他にも、使ってみると便利な「死語」や、抽象的なモノを適切に表現できる「死語」があるかもしれません。ネット上には「死語」をまとめたサイトもあるので、興味のある人は調べてみてはいかがでしょうか。