「レス」の持つ2つの意味とは?
日常生活やネットの世界で目にする「レス」には、次の2つのどちらかの場合で用いられていることがほとんどです。
- 「反応」「応答」の意味で用いられている場合
- 「~がない」の意味で用いられている場合
1と2では、その成り立ちや使われ方がまったく異なりますので注意が必要です。それぞれについて、もっと詳しく見ていきましょう。
「反応」「応答」の意味で用いられる場合
「反応」「応答」の意味で用いられる「レス」は、英語のresponse(レスポンス)から生まれた略語で、現代ではインターネットの世界をはじめ幅広く用いられています。
単に人間の言動に対する人間の反応を意味する場合だけでなく、人間が操作したときの機械の反応を意味する場合もあるので覚えておくとよいかもしれません。
「レス」の使用例
それでは、代表的な使用例を見てみましょう。
- マジレスすると、ロングヘアの方が似合ってると思うよ。
- 何気なく書いたブログにレスがいっぱい付いていて驚いた。
1の例文にある「マジレス」は、「本気(マジ)で答える」の意味を表しています。つまり、相手の問いかけに対して冗談や冷やかし半分ではなく、率直に考えを伝えたいときに使われる言葉です。
2の場合は、それほど意識していなかったのに、自分の書いたブログに予想以上に多くの「反応」があってびっくりしている様子が読み取れます。
「リプ」との違い
「レス」と似たような言葉に「リプ」があります。こちらは、英語のreply(リプライ)から生まれた略語で、こちらも「返答」という意味を表す言葉です。
2つは、非常によく似た意味を持っていることが分かりますね。では、一体「レス」と「リプ」はどこが違うのでしょうか。
「レス」と比べて「リプ」は、主にtwitter(ツイッター)の世界で用いられる言葉です。つまり、2つはほとんど同じ意味で、単に使われている場所が異なるだけだと言えるでしょう。
「~がない」の意味で用いられる場合
一方で、「~がない」という意味で用いられる「レス」は、英語の接尾辞である-lessから生まれた言葉です。「シュガーレス(砂糖が入っていない)」や「コードレス(コードが必要ない)ホン」などの言葉で耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
また、単に「レス」といった場合、「セックスレス」(=性交渉がない)の意味を表している場合もあるので注意が必要です。
さまざまな「○○レス」
それでは、「~がない」の意味を表す「レス」が用いられた言葉をいくつかチェックしてみましょう。
- ボーダレス(国境・境界のない)
- プライスレス(値段が付けられない=お金では買えないほど貴重な)
- ホームレス(家を持たない)
- キャッシュレス(現金を必要としない)
- ジェンダーレス(男女の区別がない)
いずれも「レス」の語意を理解していれば、意味を取りやすいのではないでしょうか。
「○○フリー」との違い
「○○レス」と同様に「○○フリー」も「○○がない」の意味で使われることがあります。たとえば、「オイルフリー」や「ソルトフリー」などの言葉を目にしたことはないでしょうか。
この場合の「フリー」は、もちろん「自由」という意味ではありません。「オイルフリー」は「油分を含んでいない」という意味ですし、「ソルトフリー」は「食塩不使用」という意味です。
「フリー」の方は、「本来あると都合が悪いものが存在しない」という意味で使われる傾向があります。一方、「レス」は「元々あったものがなくなった」場合に使われることが多いようです。
しかしながら、両者の使い分けは厳密ではなく、たとえば「シュガーレス」と「シュガーフリー」のようにほぼ同じ意味で使われている言葉もあります。
オタク用語としての「レス」
これまでご紹介してきた「レス」の他にも、オタク用語としての「レス」も存在します。この場合の「レス」は、アイドルがファンに対して手を振ったり、目線を送ったりする行為を指すようです。
意味合いとしては「反応・応答」を表す「レス」に近いものがあります。ファンの声援に対する「反応」といったところでしょうか。
しかしながら、特定の人間の言動に対する反応ではなく、その場に居合わせたファン全体への反応であることが異なる点だと言えるでしょう。
「レス」のまとめ
今回は、「レス」の持つ2つの意味を中心にご紹介しました。これらをきちんと区別できていれば、思わぬ誤解をせずに済むのではないでしょうか。