「ノンポリ」とは?意味や使い方をご紹介

「ノンポリ」の意味をご存知でしょうか。近年ではそれほど頻繁には使われない用語ですが、「自分もかつてはノンポリだった」という方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、「ノンポリ」の意味や使い方を、その誕生の経緯なども含めてご紹介します。

目次

  1. 「ノンポリ」の意味
  2. 「ノンポリ」の使い方
  3. 「ノンポリ」と学生運動
  4. 「ノンポリ」の関連語

「ノンポリ」の意味

「ノンポリ」とは、「non-political」(非政治的)の略で、「政治に関心がないこと」「政治的活動を行わない人や、そのような人たち」を意味する言葉です。

政治のことを英単語で「politics」(ポリティクス)と言いますが、その形容詞形「political」(ポリティカル)を「non」(ノン)で否定したものを、さらに短縮した言葉が「ノンポリ」です。

元々「ノンポリ」は、1960年代における学生運動(学生による政治的・社会的運動)に参加しなかった学生のことを指す用語でした。そのため、現代においても「1960年代で使われていた古い用語」としてのイメージを帯びることがあります。(詳しくは後述します)

「ノンポリ」の使い方

「ノンポリ」は、政治に関心がないために、政治にまつわる特定の主義・思想を持たない人や勢力を指して使います。あるいは、何かしら政治について思うところがあっても、これといって発言や活動に代えて主張しない人のことを指すこともあります。

「政治は未完である」との金言通り、政治にまつわる議論は終わりがなく、さまざまな立場の利害が絡むこともあり、時に不毛な対立を引き起こすこともあります。

そうした事情から、もしそれなりに政治的興味・関心があったとしても、「不毛な闘争を忌避する」ために敢えて「ノンポリ」を自称する人もいます。

やや古い言葉というイメージもある

「ノンポリ」は、狭義には、「1960年代の学生運動に参加しなかった者(学生)」を指します。そのため、古めかしさを帯びた、歴史的で前時代的な用語として使われる側面もあります。

「ノンポリ」という言葉で客観的に「政治に無関心(な人)」を示すことは現代でも可能です。しかし、頭の片隅に60年代の政治的闘争が浮かぶ方も少なくないことは踏まえておくべきかもしれません。

例文

  • ノンポリであるとばかり思っていた友人が、いざ話してみると現政権を詳しく分析し、厳しい批判の目を向けていることが判明した。
  • 政治的傾向について問われた小説家は、「私はノンポリだ、政治はネタにはするが、私自身はどこにも肩入れしない」と答えた。
  • 私は典型的なノンポリ学生で、大学で学ぶまでレーニン主義が何たるかもよく知らないままだった。
  • 犬派か、猫派という議論に興味はない。これについて私は完全にノンポリ勢だ。

最後の例は、いわゆる「国家政治」「地方政治」のような政治とは異なりますが、小規模な利害関係や意見の調整を政治に喩え、それに関心がないことを「ノンポリ」と表現しています。

「ノンポリ」と学生運動

1960~70年ごろ、学生らによる「体制への反対運動」が世界中で同時多発的に発生しました。原因は諸説ありますが、多く共通しているのはベトナム戦争への反戦運動であり、更にその根底には「自分たちを律するものへの変革」があったと考えられています。

日本においても、反戦、学費値上げ反対、制度改革要求などの理由で活動が広がり、それぞれの大学のみならず国家権力とも対立し、大規模化・過激化しました。一時は、学内に立てこもった学生らが機動隊と衝突し、死者が出る騒ぎにもなったのです。

ただ、すべての学生がこうした運動に参加したわけではありません。元から政治に関心がなかった者、政治的変革を望んでいても過激な闘争を望まず運動に参加しなかった者も多く、「ノンポリ」はこうした人たちを指す言葉として生まれました。

「ノンポリ」の関連語

日和見主義

「日和見主義」(ひよりみしゅぎ)とは、「事のなりゆきを見て自分の都合のよい方につこうと機会をうかがうこと」を意味する言葉です。「日和」(ひより)に由来する言葉で、天気を見てから自分の行動を決めるさまに喩えています。

政治においては、「決まった考えを持たず、形勢を見て自分の都合のよいほうにつく」という嘲りや揶揄(やゆ)の意味で「日和見主義」が使われることがあり、「ノンポリ」を非難する際の代名詞としても用いられます。

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