「艶福家」の意味とは?
「艶福家」(えんぷくか)とは、多くの女性に愛される男性のことです。「艶福」は男性がたくさんの女性に愛されて慕わしく思われること、「家」は、そのような性質を強く持つ人、または、そのような状態に置かれている人を表しています。
「艶」という字には男女の情事に関わることの他に、好む・慕うといった意味もあります。「艶福」においては恋愛や肉体関係についての言及はありませんので、後者の意味でしょう。
「艶福家」の使い方
上で説明したとおり、「艶福家」は女性から慕われる男性を指します。いくら人気があっても女性に対しては使わないところには注意が必要です。
【例文】
- 実業家のA氏は艶福家で、数々の著名な女性と噂になっている。
- 艶福家のBさんは、一人の女性に絞るのが難しいからあえて結婚しないんだって。
- Cさんは艶福家だ。素敵な女性が次々と寄ってくるのでうらやましい。
「艶福家」とされる男性とは
優しい、信頼関係を築ける、趣味が良い、頭の回転が速いなど内面的な魅力を備えている男性も「艶福家」となり得ます。
「艶福家」の類語
モテ男
「モテ男」(もてお)とは、「モテる男」を略した言葉で、女性からの人気が高い男性という意味です。ここでの「モテる(持てる)」は周囲から評判が良いこと、人気があることを表しています。
「モテ男」は「艶福家」と同じような意味ですが、「モテ男」の方がフランクで、比較的若い世代が使う言葉です。
【例文】
- Aさんは、学校一のモテ男のBくんとお付き合いしている。
- 学生時代はモテ男だったCくんだったが、今では見る影もない。
色男
「色男金と力はなかりけり」という川柳があります。「モテる男に財力や喧嘩での強さはないものだ」という意味で、モテる美男をからかう、もしくはひがんで負け惜しみを言うといったニュアンスです。
この「色男」(いろおとこ)には、女性に愛される容貌の良い男性を指します。女性から愛される男性という点においては、「艶福家」は「色男」と同じです。しかし、「艶福家」は男性の容姿の良し悪しに言及していません。
なお、「色男」には他に、情夫(情事の相手・愛人)や好色家(色事を好む人)という意味もあります。
【例文】
- デビューしたばかりの若手の俳優の色男ぶりに、多くの女性の歓声が上がった。
- 友人は年上の女性から人気で、バイト先の年配の人から「色男」とからかわれたそうだ。
「艶福家」と「女たらし」の違い
「艶福家」のようにモテる男性を表す言葉に「女たらし」がありますが、両者には大きな違いがあります。
「女たらし」とは
「女たらし」は、自分の顔の良さや話術の巧みさを活かして、女性を誘惑して虜にしてもてあそぶ男性のことです。その男性やその人の行為を軽蔑する際などに使います。
「たらし」は動詞の「誑す(たら-す)」の連用形が名詞に変化した形で、相手を騙したり、欺したりすること、またはそのような人のことです。
【例文】
- あの女たらしが浮気している証拠をしっかりとつかんだ。
- 女性の歓心を買って貢がせる、女たらしのような行動は褒められたものではない。
「艶福家」と「女たらし」
「艶福家」は多くの女性に愛される男性のことですから、「女たらし」のように相手を騙して誘惑するといった含みはありません。そのため、「艶福家」は、ひがみや妬みで用いることはあっても、その男性に非があるといった文脈では使わないでしょう。