「うざい」の意味は?
「うざい」には、以下のような意味があります。
- わずらわしい(煩わしい)
- うっとうしい(鬱陶しい)
- しつこい
- 気持ち悪い
- 面倒くさい
「うざい」は比較的新しい言葉で、若者達の会話やSNSなどで使われることが多い、フランクな表現です。
「うざい」の使い方
「うざい」は「うぜー/うぜぇ」というかたちで使われることもあります。この変化は、「うるさい」→「うるせー/うるせぇ」という口語における変化に類するものです。
以下の例文のように、「うざい」を使うシーンはさまざまです。しかし、どのシーンにおいても「うざい」は、くだけた表現であることには変わりありません。
【例文】
- 校則が厳しくて、マジうざい。
- さっきからつきまとってくるうざい男、どっか行って欲しい…。
- あの芸人、うざいだけで面白くない。
- 親がうるさくて、うざ過ぎる。
- 明日までに宿題やるの、うぜー。
「うざい」の語源と普及
「うざい」の語源は「うざったい」
「うざい」の語源は形容詞の「うざったい」です。これが短縮して「うざい」に変化しました。
「うざったい」は方言?
「うざったい」はもともと東京多摩地区の方言だと言われています。次に紹介するのは、明治・大正時代の東京多摩地区稲城の方言を集めて作られた、1994年の『稲城方言カルタ』、「り」の読み札です。
(意味:考えがなかなかまとまらない。頭が悪いから)
意味は1994年のカルタに併記されているものです。ご覧のとおり、現在の「うざったい・うざい」の意味とは異なりますね。
昔の多摩地区では「うざったい・うざい」に「悪い」といういう意味もあったのかは不明です。もしかしたら、さまざまなことにわずらわされて頭の中の考えを整理できない状態を、カルタの作者が「頭が悪い」と短く説明したのかもしれません。
「うざい」が普及した要因
「うざったい・うざい」が全国の若者の間に広まっていったのはなぜでしょうか?90年代、若者に人気を誇ったロックバンドに「T-BOLAN」(ティーボラン)がいます。彼らが1992年に出した5枚目のシングル『じれったい愛』に、そのヒントがあるようです。
1番の歌詞を見てみると「じれったいオマエの愛が うざったい程痛いよ」とあります。さらに、サビの部分にも「じれったいオマエの愛に うざったい程 Pure my Heart」と、「うざったい」が再度登場するのです。
90年代に公共の電波で「うざったい」という言葉が流れるのは極めて珍しいうえに、曲が大ヒットしたこともあり、「うざったい」とは一体どういう言葉?という疑問とともに、その意味も全国に広まっていきました。
歌詞を書いたのはバンドのボーカルであり、作曲、作詞も手掛ける森友嵐士氏です。森友氏は大学時代に多摩地区で過ごした経験もあることから、「うざったい」という言葉がごく自然に歌詞に使われたのではないか、と言われています。
「うざい」が全国的に使われだした時期
『じれったい愛』によって全国の若者を中心に広まった「うざったい」は、その後多くの若者に使われるうちに、「うざい」へと変化していきました。「うざい」が全国的に定着して、新語辞典や国語辞典の見出し語にまでなったのは2000年前後です。
ちなみに岩波書店の『広辞苑』では、2008年発行の第6版から「うざい」が掲載されるようになりました。この時代はTwitterなどのSNSやブログなどの利用率が急速に高まっており、若者の書いたものの中に「うざい」の表現が頻繁に使われているのが見て取れます。