「言動」とは?意味や使い方を類語を含めてご紹介

「あの人の言動は問題だ」などとして使われる「言動」という言葉、みなさんは意味を正確に理解していますか?本記事では「言動」の意味や使い方はもちろん、類語や出典の紹介、また「言動」と「言行」に違いはあるのかなどを解説します。

目次

  1. 言動の意味
  2. 言動の使い方
  3. 言動の類語
  4. 「言行一致」と「言行相反」
  5. 「言」と「動」の読み

言動の意味

「言動」とは「言葉と行い」「言語と挙動」のことで、「言行」と全く同じ意味です。英語では「speech and behavior」「word and deed」「speaks and behaves」などと表現されます。

言動の使い方

  • 人前では言動に注意すべきだ
  • 彼の言動のなかに誠実さを垣間見る
  • あの人は言動でもって立場を示している
  • 小学生とは思えない落ち着いた言動だ

言動の使用上の注意点

「言動」は“発言”と“行動”の両方が揃っていない場合には使用できません。たとえばラジオDJの発言に苦言を呈する場合、「言葉に気をつけろ」とは言えても「言動に気をつけろ」とは言えないのです。

同様に沈黙している人の態度を問題にする場合も、「行動が問題だ」と言えても「言動が問題だ」とは言えません。

言動の文法上の注意点

また「発言」も「行動」もサ行変格活用(~する等)によって動詞として使える単語ですが、この2つが組み合わさった「言動」は動詞化できないことにも注意が必要です。

  • ◯発言する
  • ◯行動する
  • ×言動する

ただし、動詞「する」を用いることによって、「言動をする」としては使用可能です。
  • 言動(名詞)
  • を(格助詞)
  • する(動詞)

言動と言行の使われ方の違い

一般的には、言動は「あの人の言動は問題だ」とネガティブなケースで用いられ、言行は「あの人は言行一致の立派な人だ」とポジティブなケースで使われることが多いようです。

中国の古典での使用例でも、言行は「言行君子之樞機(言行は君子の樞機(かなめ)なり)」(易経・繋辞)とあります。

一方、言動は「記言動於麟閣(麟閣における言動を記す)」(北史・劉炫傳)という出典があり、これは麟閣(功臣の肖像画を掲げた場所)での酒宴などで出る不平・不満などを著しています。

言動の類語

類語には「行動に関するもの」として身持、行儀、素行、所作、態度、行為、行状などがあります。また「言葉に関するもの」として言辞、口舌、言説などがあります。

「言行一致」と「言行相反」

言行を含む熟語では「言行一致」が知られています。これは、「言うところと行うところが一致していること」で、たとえば「女性の社会進出賛成」と言っている人が、仕事をしている奥さんと家事を協同して行っていることなどが好例です。

ちなみに明治時代の『増補故事熟語辞典(寶文館刊)』には、これと反対の意味となる「言行相反(げんこうはんす)」というのが載っています。

言行相反とは「言うところと行うところが一致しない」ということで、中国の古典の1つである「淮南子」にある「言與行相悖、情與貌相反(言と行はたがいに逆らい背き、情と貌は一致しない)」などを出典としています。

「言」と「動」の読み

中国の古典を日本語で読み下すに際して、状況に応じて「」は①いう、ものいうもうすことば、こというところ、」は①うごくややもすれば③うごかすーと読みます。 


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