叱咤
「叱る」という漢字が含まれている「叱咤」という熟語、怒っている様子が連想されて、なんだか不安になるような言葉ですよね。しかし、悪い意味ばかりではなく、いい意味としても使われることがある言葉なんです。そんな「叱咤」について詳しく紹介していきたいと思います。
叱咤の読み方
まずはじめに、「叱咤」の読み方について。「叱咤」は「しった」と読みます。「叱咤」を含んだ言葉としてよく使われるのが「𠮟咤激励」ですが、こちらは「しったげきれい」と読みます。
叱咤の意味
叱咤の「叱」
「叱咤」を構成する1つの「叱」。訓読みでは「しか(る)」、音読みでは「シ」「カツ」と読みます。「叱」は訓読みの通り「しかる。」という意味を持っています。「叱」を使った熟語には、叱正、叱責などがあります。また、何かを追い払うときに言う「しっしっ」という言葉は「叱叱」という言葉が当てられることもあるそうです。基本的に「しかる。」という意味で使われることが多いようです。
叱咤の「咤」
次に「叱咤」の「咤」について。訓読みでは「しか(る)」「したう(ち)」、音読みでは「タ」と読みます。「咤」の意味も訓読みの通り「しかる。」や「舌打ちをする。」などとなっています。「咤」は「叱」という漢字とセットで使われることがほとんどであり、「咤」という漢字単体で使われることは極々稀のようです。
叱咤の意味
どちらも「しかる。」という意味を持っている「叱咤」。この言葉の意味は「大声でしかりつけること。」「大声をあげて励ますこと。」などがあります。そもそも「しかる」という言葉は「声をあらだてて欠点をとがめること。」という意味を持っています。叱って励ますといった意味を含んでいます。怒っているような印象を受ける言葉ですが、場面によっては励ましという要素が含まれている言葉のようです。
叱咤の例文
ここからは「叱咤」の例文について紹介します。「しかる」という要素が入っていることから、ビジネスの場面で使われることが多い言葉のようです。また、親から子供に向けて用いられることもあるようで、上下の関係がある人物間で使われることが多い言葉なのではないかと思われます。
具体的には、「落ち込んでいる子どもに叱咤激励する。」や「甘やかすだけでなく、叱咤することも大切だ。」といった使い方ができます。
例文でも紹介しましたが、「叱咤」を用いる際によく使われる言葉には「𠮟咤激励」があります。「𠮟咤激励」とは「大声で叱るように励まし、気持ちを奮い立たせること。」を意味しています。この言葉のポイントは「叱るように励ます」ことで、励ますことに重きを置いている言葉のようです。
叱咤の類義語・関連語
叱咤の類義語
「叱咤」の類義語には「叱る」「怒る」「叱責」「譴責(けんせき)」などがあります。「叱る」は「声をあらだてて欠点をとがめること。」、「怒る」は「腹を立てて相手に注意すること。」、「叱責」は「責任者が下の者の過ちをきつく非難すること。」、「譴責」は「職務上の過失などを責めとがめること。」を指しています。
「叱咤」の類義語である言葉はどれも「叱る」や「責める」ことがほとんどのようです。
叱咤の関連語
「叱咤」の関連語には「叱りつける」「一喝」「大喝」「大目玉」などがあります。どの言葉も「相手の非をとがめて、きびしく注意する。」といった意味を含んでいます。「叱りつける」は「叱る」を強めた言葉で強く叱ること、「一喝」や「大喝」は「大声を出して叱ること。」、「大目玉」は「大目玉を食う」という使われ方をすることが多く、叱られることを意味しています。
「叱咤」の関連語である言葉はどれも「叱ること」に重きが置かれている言葉のようです。「叱咤」に含まれている「励ます」といった要素が含まれている言葉はないため、「叱咤」は他にない言葉ともいえるでしょう。
叱咤のまとめ
いかがでしたでしょうか?今回は「叱咤」について紹介しました。似ている言葉は多く存在しますが、「叱咤」には「叱ること」や「怒ること」といった意味の他に「励ますこと」を含んでいる言葉なため、ポジティブに捉えることもできる言葉のようです。