「常駐」の意味
「常駐」(じょうちゅう)とは、「常に駐在(ちゅうざい)していること」という意味の言葉です。「駐在」とは、「一定の場所にとどまっていること、特に、職務などのためにその地にとどまること」が主な意味です。
「常に駐在」ですから、簡単に言えば「職務などのために、常にある場所にとどまること」が、「常駐」の基本的な意味であるといえるでしょう。
「常駐」の使い方
「常駐」という言葉は、多くの場合は「常にそこにいること」が求められる業界において使えます。代表的な職種としては、不測の事態に備えていつも決まった場所にいなければならない「警備員」が該当するでしょう。
基本的には「職務のため、その場に留まること(それによって何らかの役割を果たすこと)」を言いますので、例えば家族が休日に家に留まってくつろぐことなどは「常駐」とは言いません。
他に、車両などがあるひとつの場所に停まったままであること、部隊などがひとつの場所に留まっていることなども、そこに「職務」に連なる「任務」や「目的」があれば、「常駐」という言葉が使われることがあります。
「常駐」は「24時間」とは限らない
「常駐」は、「常に」という字を使いますが、これは「24時間/365日」とは限りません。「平日の昼間のみ係員が常駐」や「営業時間外は入口に警備員が常駐」など、限定的な「常駐」の使い方も可能です。
例文
- この会社の入り口には、防犯対策のために警備員が常駐している。(常駐警備)
- あの郵便局は地域の拠点なので、窓口にはいつも係員が常駐しており、24時間荷物の取り扱いをしてくれる。
- シーズンオフの観光用バスは、本部倉庫の駐車場に常駐させています。
- 海からの侵略に備えて、港湾の街には先月から軍の防衛部隊が常駐していた。
「常駐」の関連語
常勤
「常勤」(じょうきん)とは、勤務形態を表す言葉で、「毎日一定の時間、いつも勤務すること」または「本務として専任であること」という意味の言葉です。対義語は「非常勤」です。
まれに「常勤」と「常駐」が混同されることがありますが、「常勤」は、何らかの仕事を本業として毎日決められた時間働くことであり、「常駐」は仕事のために指定された場所にいることですので、意味は異なります。
ただし、「夜間のナースステーションには、常勤の看護師が常駐している」のように、常駐という業務が常勤という勤務形態の中に含まれることはあります。
客先常駐
IT業界では、「客先常駐」(きゃくさきじょうちゅう)という言葉が聞かれることがあります。例えば、IT業界ではひとつの大きな親会社がプロジェクトを主導し、子会社から技術者を集めることが珍しくありません。
このとき、子会社に籍を置く技術者は、自分の会社ではなく、親会社(客先)に出勤することが常態化することがあります。プロジェクトが続く間、客先に常駐している状態になるため、「客先常駐」と呼ばれるわけです。
「常駐」を英語で言うと?
「常駐」を英語で言いたい場合には、まず「station」(配置する)が適当です。場所を指したい場合は、「at」や「in」を使います。
「station」は「任務を帯びてそこを守っている」という雰囲気のかたいニュアンスがありますので、「いつも係員がいる」といった軽めのニュアンスであれば、「there is always an attendant」と言った表現でもOKです。
例文
- A security guard stationed at the entrance gazed at me.(入口に常駐している警備員が私をにらみつけた)
- There is always an attendant in the night counter.(夜間窓口には係員が常駐しています)