「主催」と「主宰」の違いとは?それぞれの意味や使い分けをご紹介

「主催」と「主宰」、同じ「シュサイ」という読み方をしますが、意味は異なります。どちらも使うシーンが似ていて混同しそうですが、具体的にどんな違いがあり、どのように使い分けるのでしょうか。この記事では、「主催」「主宰」の意味や使い方を詳しく解説します。

目次

  1. 「主催」と「主宰」の意味
  2. 「主催」の使い方
  3. 「主宰」の使い方
  4. 「主催」と「主宰」使い分けのポイント

「主催」と「主宰」の意味

「主催」も「主宰」も、読み方は「シュサイ」です。同音異義語であるために、それぞれの熟語を混同して、使い分けに悩む場合があります。まずは、それぞれの意味を確認してみましょう。

「主催」の意味

「主催」の意味は、各種イベント関連の行事を中心となって開く・運営すること、またはその人や団体のことです。「主催者」が組織なのか、個人なのかは問いません

「主」は多義語ですが、ここでは中心的な働きをするという意味で用いられています。他方「催」は、用意をととのえて会合や行事を行う、という意味が反映されています。

「主宰」の意味

「主宰」とは、人々の上に立ち、全体的に取りまとめをすること、団体や組織などを中心となって運営すること、またはその人物です。「主宰者」は個人を指しますから、簡単に言い換えればリーダーのことですね。

「宰」は、ここでは仕事を切り盛りする、取り仕切るという意味をもちます。

「主催」の使い方

上述のように「主催」は、イベントをホストとして運営することを指します。たとえば、スポーツの大会や音楽フェスなどのチケットに「主催 ○○実行委員会」のように表記されていることがありますね。この場合は、「○○実行委員会が運営しています」ということです。

地区のお祭り、小学校のバザーなど、小規模の行事にも使いますし、アーティストのライブやオリンピックなどの大規模なイベントも対象となりえます。

例文

  • 降雨でイベントが中止になり、主催団体のサイトでチケット代の返金方法を確認をした。
  • セミナーの主催者に、参加の申し込みをまだ受け付けているか問い合わせた。
  • 生徒の保護者会の主催で、チャリティーバザーを開いた。

「主催」と間違えやすい熟語

イベントでは、「主催」とともに「共催」「後援」「協賛」などの言葉が並んでいることがあります。「主催」と間違いやすい熟語について、簡単に確認しておきましょう。


共催
複数の団体や幾人かで共同でイベントなどを主催すること。
例文:A社とB社が共催して美術展を開いた。

後援
本来の意味は「資金を提供するなどして、援助すること、後ろ盾」です。イベント等では、信頼度アップや格上げを図る目的で、公的な組織からの「後援」を得ることが多いようです。
例文:「〇〇物産展は主催が町おこし委員会だが、C町の村役場と商工会が後援している」

協賛】
本来は「趣旨に賛同し、実現のために協力すること」を表します。催し物においては、直接運営には関わらず、費用や品物を出して開催に協力することを指し、「スポンサー」や「パートナー」とも呼ばれます。
例文:当社は、地域のイベントで協賛企業としてユニフォームを提供しました。

「主宰」の使い方

「主宰」は、団体などを束ねること、代表的な立場にある人物に対して使われます。こちらも例を挙げてみていきましょう。

「劇団を主宰する」と言えば、その劇団の代表として運営することを表しますし、「サークルの主宰者」という場合は、サークルを取りまとめるリーダーを指します。会社組織にたとえると、社長に近いかもしませんね。

例文

  • 俳句の主宰からお褒めの言葉を頂いた。
  • 温泉サークルの主宰者に箱根の温泉について質問した。
  • 定年後も働く人が多くなり、入会を希望する人が減ったと敬老会の主宰者が嘆いていた。

「主催」と「主宰」使い分けのポイント

「主催」と「主宰」の使い分けが難しい理由として、使う場面が似ているということも考えられるでしょう。イベントそのものについて言及している場合は「主催」、「団体やグループ」を指している場合は「主宰」と、何を対象にしているのかを見極めることが大切ですね。


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