「気取る」とは?意味や使い方をご紹介

「気取る」という言葉があります。「きどる」以外の読み方をご存知でしょうか?2通りの読み方を持ち、それぞれに異なった意味がある「気取る」という単語、今回は「きどる」という読み方での意味や使い方を中心に、もう1つの読み方と意味についてもご紹介します。

目次

  1. 「気取る」とは?
  2. 「気取る(きどる)」の使い方
  3. 「気取る」の類語
  4. まとめ

「気取る」とは?

「気取る」は、「きどる」または「けどる」と読みます。ともにラ行五段活用の動詞ですが、読み方によって意味が異なるので注意が必要です。

「気取る(きどる)」

「気取る」と書いた場合、日常生活では「きどる」と読むことの方が多いでしょう。「気取る(きどる)」は、ラ行五段活用の自動詞です。大別して、以下の3つの意味を持ちます。

  1. 実際はそれほどでもないのに、かっこよさを狙ったり、人によく思われようと思ったりして、ことさらに自分を飾り立てること。
  2. (…になったつもりで)それらしい様子をする
  3. 心を配って用意しておく。

これらの意味のうち、3番目の「心を配って用意しておく」は、古い表現に見られるもので、現代ではあまり見られない用法です。

「気取る(けどる)」

「気取る」を「けどる」と読む場合、ラ行五段活用の他動詞として用います。「周囲の様子から、事情をさとる」という意味の言葉です。古くは「けとる」とも読まれ、「魂を奪う、正気でない状態にする」という意味で使われていました。

【例文】

  • 社内恋愛が禁止なので、二人の関係を気取られないように用心している。
  • 足音を殺して忍び寄ったが、早々に気取られてしまった。
  • ものも言はず、息もし侍らず。何か物に気取られにける人にこそ(源氏物語・手習)

「気取る(きどる)」の使い方

今回は、より一般的な読み方の「気取る(きどる)」の使い方をみていきます。主要な意味2つの例文を紹介します。

1.自分を飾り立てる

  • フランス語教室の新しい先生は、ずいぶんと気取った話し方をする人だ。
  • 小学生がおしゃれをして、精いっぱい気取った様子で歩いているのを見ると、微笑ましい気分になるね。
  • 彼は成績優秀、文武両道、眉目秀麗、と嫌味なくらいにできのいい人物だが、気取らない性格のせいで、周囲から浮くこともなく皆に愛されている。

2.それらしい様子をする

  • 彼は、いかにも通人を気取っていろいろな料理のうんちくを語ったりするが、雑誌の受け売りなどが多くて、底の浅さが目立つね。
  • ワイドショーのコメンテーターが専門家を気取って何やら言っているが、論旨がちぐはぐで聞いている方が恥ずかしくなる。
  • 野球部の女子マネージャー、キャプテンと交際しているのはいいとして、練習中まで女房気取りであれやこれやと口を出してくるものだから、部内の雰囲気は最悪だ。

「気取る」の類語

「澄ます」

「澄ます(すます)」の意味は以下の3つです。他動詞として用いる場合と、自動詞として用いる場合で意味が異なります。

  1. (他動)濁り・曇り・雑音などを除いて、まじりものの無い状態にする。
  2. (他動)雑念を除いて、純粋な状態にする。
  3. (自動)そんなつまらないことはどうでもいい、という顔をして気取る。

「気取る」の類語としては、自動詞である3番目の用法が当てはまります。

「勿体ぶる」

「勿体ぶる(もったいぶる)」とは、「いかにも重々しく振舞う」という意味の動詞です。物事、あるいは自分自身を実際以上に価値のあるように振舞う、という部分で「気取る」の類語たり得ます。

まとめ

「気取る(きどる)」という言葉からは、あまりポジティブな意味は感じられません。自らを実態以上の存在に見せようとしたり、知ったかぶりをしたりする人は、周囲からは尊敬を集めるのは難しいようです。

普段から、無理に見栄を張ったり格好をつけたりしないように気をつけて、気取って(きどって)いることを周囲に気取られ(けどられ)ないようにしたいものですね。


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