「窺い知れる」の意味とは?
「窺い知れる」(うかがいしれる)とは、内々の事情や物事の実態などについておおよそを把握する、人の様子などから実際のことを推測して知るという意味で、「窺い知る」も同様です。「窺い知れる」は、「窺う」と「知れる」の2つの似た意味の動詞を重ねて強調した連語です。
この場合の「窺う」は察知する、注意深く見て知ろうとするといった意味です。「知れる」は「知る」が変化した形で、自然に分かる、知ることができるということを表しています。「知る」の意味は、気づく・感じ取る、物事や人の状態を理解する、把握するなどです。
なお、「うかがう」には「伺う」という表記もありますが、こちらは「聞く」「尋ねる」「訪問する」などの謙譲語です。「窺う」とは全く異なる意味で使います。
「窺い知れる」の使い方
「窺い知れる」は、表面に出てきた僅かな出来事などから裏の状況を察知できたり、部分的な物事から全体の状況が自ずと分かったりすることなどを表せます。
例えば、人の仕草や態度、話し方や表情などを見て、相手の真意、もしくは、属する団体や関連する物事などの状況が、実際はどのようなものであるのか、ある程度推察できる場合に「窺い知れる」を使うこともあります。
「窺い知れる」を使った例文
「窺い知れる」の類語
読み取る
「読み取る」(よみとる)は、もともと文章などを読んで書かれている内容を理解することです。その他に、人や物事の外見から、本音や内部に隠れていることを推し量って理解するという意味もあり、「窺い知れる」と似た意味で使えます。
【例文】
汲み取る・酌み取る
「汲み取る/酌み取る」(くみとる)には、表面上に出てこないことを推し量る、または、裏側にあることを推察して相手の気持ちを思いやることです。「窺い知れる」と良く似た意味を持っています。
【例文】
- 「急に欠席するとは何かあったのだろう」と、彼は先方の事情を汲み取っているようだった。
- 先日は、私どもの事情を汲み取っていただき、ありがとうございました。
なお、「汲み取る/酌み取る」には他の意味もあり、液体を容器に汲んで出す、他の容器に移し替えることを表せます。
透けて見える
「透けて見える」(すけてみえる)とは、外側から覆われて隠されていても、その上から中が見える状態であることを表す言い回しです。実際の物事を表す例では、トップスの色よりもタンクトップなどの肌着の色が濃い状態で外から目立つことをいう場合があります。
また、ある人が本心を隠していても、仕草や表情、言動や態度などから本音を感じ取れる場合に、比喩的に「透けて見える」と表現する場合があるのです。近い表現をする場合、真意や気持ちを表す「本音が透けて見える」「思惑が透けて見える」などのように表します。
【例文】
- あの人は口では努力すると言っていても熱意が感じられず、本音は無関心であるのが透けて見える。
- 表向きは社長に従っているようではあるが、目つきや言動から専務の野心が透けて見え、経営陣から警戒されている。