「加味」とは?意味や使い方を類語も含めてご紹介

「加味」という言葉の意味をご存じでしょうか。文字通り味を加えるということですが、この「味」に深い意味があります。「加味」は、いろいろな場面で使われている言葉です。この記事では、「加味」の意味や使い方を類語を含めてご紹介します。

目次

  1. 「加味」の意味とは
  2. 「加味」の使い方
  3. 「加味」の類語

「加味」の意味とは

「加味(かみ)」には、以下のように二つの意味があります。

  1. 薬の調合で別の薬を加えたり、食べ物に別の味を足すこと。
  2. ある物事について、別の要素を付け加えること。

「加味」の語源は、料理で調味料を足すことから来たという説もありますが、有力な説は薬の調合の際に別の薬を加えることと言われています。匙加減(さじかげん)という言葉があります。これは、薬を調合するときに、いろいろな薬を加えたり、減らりたりして量を調整することです。

本来、漢方薬の処方では、一人一人の患者の病状に合わせて薬を調合します。そのため、調合したそれぞれの薬の成分は同じでも、その割合が微妙に異なります。そこから「加味」という言葉が生まれたという説です。なお、漢方医学では、薬の作用のことを「味(み)」と言います。

「加味」の使い方

1の意味「別の味を足す」

匙加減で薬を調合するところから使われるようになった「加味」は、料理の味にも使われます。味の好みは人によって違いますから、同じ料理でも人によって、調味料を加えて食べることがあります。

また、料理の途中で味見をして、塩が少ないとか、甘みが足りないといった場合には調味料を加えますね。そういう時に「加味」を使います。ただ、実際の場面では「加味する」と言うよりも、単に「加える」とか「足す」と言うほうが一般的です。

【例文】

  • 風邪気味なので母の漢方薬を分けてもらおうとしたら、「私に合わせて成分を加味した薬だから、あなたには効かないかもしれないよ」と言われた。
  • この出汁(だし)は、少し塩味が足りないから、一つまみだけ塩を加味したほうがいい。
  • 彼は辛い物が好きだから、いつも私が作った料理に唐辛子や胡椒を加味して食べている。

2の意味「別の要素を付け加える」

2の意味は、ある物事を判断したり、選択したりするような場面で、もう一押し何か要素を付け足す必要があったり、付け足すことでその判断や選択を補強する場合に「加味」を使います。

【例文】

  • 発表された感染者数に、クルーズ船の乗客乗員は加味されていません。
  • この新製品は、ユーザーから寄せられたアイデアを加味したものとなっています。
  • 次のレースの出場チームは、過去の実績加味して選ばれることになっている。

「加味」の類語

「考慮」

考慮(こうりょ)」は、物事を判断したりする時に、いろいろな要素について考えを巡らせること、よく考えることです。「加味」は、ある物事がより良くなるようにプラス材料をつける加えることですが、「考慮」は、マイナス材料も含めて判断をするために深く考えることです。

【例文】

  • 今回のミスには、本来なら厳しい処分をするべきだが、彼の過去の実績と活躍への期待考慮して口頭注意に留めることにした。
  • このプロジェクトはかなりハードなので、Aさんの年齢と経験考慮した結果、バックアップに回ってもらうことにしました。

「補充」

「補充(ほじゅう)」は、足りないものを補うことです。「加味」は、元からあるものに足しますが、「補充」は、不足を補うという点で相違があります。しかし、どちらも足すという点では類語と言えます。

【例文】

  • 災害復旧で人手が足りなくなったので、本部に人員の補充を要請した。
  • 長距離ドライブでガソリンが減ってきたので、途中、スタンドで補充した。

「追加」

追加(ついか)」は、あとから付け加えることです。追加注文や追加予算といった形で、よく使うのではないでしょうか。後から加える点で「加味」の類語と言えるでしょう。

【例文】

  • 合コンでお酒が足りなくなったので、追加を注文した。
  • 新しいスマホには、追加された機能が多くて使いこなせない。


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