「お安い御用」とは?意味や使い方をご紹介

「お安い御用」というフレーズを使ったことはありますか?今は日常会話ではあまり使わないフレーズかもしれませんが、相手への気遣いを感じさせる言葉です。今回は、「お安い御用」の意味や使い方について、どのような場面で使われるかを含めてご説明します。

目次

  1. 「お安い御用」の意味
  2. 「お安い御用」の使い方
  3. 「お安い御用」の類語
  4. 「お安い御用」に似た意味の慣用句

「お安い御用」の意味

人からの頼まれごとに対して「お安い御用」(おやすいごよう)と返事をすると、「簡単にできるから大丈夫、引き受けた。」という意味になります。気軽な感じで答える言い回しです。今は日常会話ではあまり使われないかもしれませんが、映画や小説のセリフには登場します。

「お安い」の「お」・「御用」の「御」は、後に続く名詞に丁寧なニュアンスを添える接頭語。「お高い」や「御礼」などと同じ使い方ですね。「用」は用事や頼まれごとという意味です。

「安い」には値段などが低い、安価という意味もありますが、ここでは「気軽に」や「無理がなく心配することがない」という意味です。

「お安い御用」の使い方

「お安い御用」は、本当に「簡単な用事だ」言っている場合と、本当は難しい用事でも、相手を気遣って「簡単なことだから気にしないでね」と言っている場合とがあります。

どちらにしても、頼みごとをしてしまって申し訳なさそうにしている相手の負担を和らげるニュアンスが含まれています

「お安い御用」の文例

  • 「悪いんだけど、この仕事明日までにお願いできる?」「お安い御用ですよ!」
  • お安い御用と安請け合いしたのはいいが、1週間で間に合うか心配になってきた。
  • 困っていて友人に相談したら、お安い御用と言って手伝ってくれた。

「お安い御用」の使用がNGの場面

用事を頼んだ本人が、相手に向かって「〇〇さんにとってはお安い御用だよね!」と使うのはNGです。「お安い御用」は、あくまで、頼まれた人が使う言い回しです。

「お安い御用」の類語

造作無い

「造作無い」(読み:ぞうさない)は、何かをするのに手間や面倒がかからずに簡単にできる様子を指す言葉です。「造作もない」とも言います。

  • A君は難しい仕事を造作無くやってのける。
  • Bさんは「造作無いことですよ」と、快く引き受けてくれた。

訳無い

「訳無い」(読み:わけない)には、理由がない、分別がないという意味もありますが、手間や手数があまりかからないという意味もあります。「訳も無い」とも言いますね。

  • 隣町まで品物を納品しに行くのは訳無いことですよ。
  • 4階まで顧客を案内するのは訳無いことだ。

容易い

「容易い」(読み:たやすい)は、易しい・簡単にできるという意味です。「容」は当て字で、もともとは「易い」に接頭語の「た」が付いた語です。「た」は、語句の意味を強めるために付いたと言われています。

  • 小学生で習う漢字は容易く読める。
  • 言うだけだったら容易いけれども、実際にできるのか?

「お安い御用」に似た意味の慣用句

「お安い御用」は、気軽な間柄で使われるフレーズです。次にご紹介するのは「お安い御用」と同様に、ノリが軽い感じの慣用句。平成から令和の時代に入っては、もはや死語になっている語句もありますね。

お茶の子さいさい

「お茶の子さいさい」(読み:おちゃのこさいさい)の「お茶の子」は、お茶請けに出されるちょっとしたお菓子のこと。「さいさい」は簡単に済ませられることを表す擬音語です。今で言えば、スマホなどの動作が軽いことを指す「サクサク」に近い表現ではないでしょうか。

「お茶の子さいさい」は、お茶請けのお菓子と同じように軽く食べられることから簡単にできるという意味になりました。「1日で網戸を張り替えるのはお茶の子さいさいだ。」のように用いられます。

朝飯前

「朝飯前」(読み:あさめしまえ)とは、朝ごはんを食べる前に済ませられるくらいの容易い物事という意味です。

朝食前には空腹で力も入らないし、時間もありません。そんな朝食前でも済ませられる簡単な用事というのが語源といわれています。「空き地のゴミを集めるなんて朝飯前だ。」のように使われる言葉です。

余裕のよっちゃん

「余裕のよっちゃん」(読み:よゆうのよっちゃん)とは、まるで人のあだ名のようですが、実は、余裕があってすぐに簡単にできるという意味です。

余裕の頭文字「よ」をとって人名のように「よっちゃん」と称しているのは、言葉遊びの一種。「余裕のよっちゃんで間に合うから大丈夫だよ。」のように用いられます。

ちなみに、「余裕のよっちゃんイカ」というフレーズを使う年配の男性もいます。「よっちゃん」と「よっちゃんイカ」という酢漬けイカの菓子の商品名とかけているのでしょう。このフレーズは今はあまり使われないようです。

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