「期待」の意味
「期待(きたい)」の意味は、「将来その事が実現したらいいと望みを持って待つこと」です。よい結果や、よい状態になることを心待ちにしている、というニュアンスです。
「期」は、ここでは「(必ずそうなると目当てをつけて)待ち設けること」という意味で用いられており、「待」とは似た意味を持っています。
誰かに「期待」する、あるいは誰かから「期待」される、といった場面はしばしばあるでしょう。この場合は、その人に対して将来性を感じているとか、何かを実現してほしい、良い方向に導いてほしい、といった気持ちがにじみ出ていますね。
また、組織や国など人以外のものにも使うことができますし、経済情勢や何らかの効果など、やや抽象的なことも「期待」の対象となりえるでしょう。
「期待」の使い方
「期待」は、名詞として使うことのほか、「期待する」と動詞で用いる場合も多くあります。上述したように「よい結果」を待つ、という意味合いですから、「悪い結果や将来」を待つ場合には使いません。
「期待」に応えることを「期待通り」、応えることができないことを「期待外れ」と表します。ほかにも「期待を裏切る」「期待に添う」など、さまざまな言い回しがあります。ビジネスシーンでは、「ご期待に沿えるように」や「ご期待ください」といった表現もみられます。
例文
- 上司から人一倍厳しい指導を受けているが、これは期待の表れと受け取ってよいのだろうか。
- サッカーチームに期待の星が入団してきた。海外のクラブも注目するような実力の持ち主らしい。
- 彼は親の期待通りに医者の道を志し、とある有名大学の医学部に合格した。
- 最新の研究で、新薬は期待されたほどの効果を発揮しないとわかった。
- 景気回復への期待感から、株価が上がっている。
- 次号でいよいよ完結。乞うご期待!(※マンガの予告文などで)
「期待」の類語
「嘱望」
「嘱望(しょくぼう)」の意味は、「人の将来や前途にのぞみをかけること。期待すること」です。「属望」と記すこともあります。また、まれに「しょくもう」とも読みます。
成功が見込まれるような人物を「将来を嘱望された~」と言うようように、「嘱望」は、おもに(自分以外の)人に使う言葉です。「期待」とはほぼ同義ですが、「期待」の方が対象の幅が広いでしょう。
「嘱」は「嘱(たの)む」と読み、人に委ねる・望みをかけるという意味があります。一方「望」は「望(のぞ)み」と読み、将来を期待するという意味があります。つまり「嘱望」は、「望み・期待」という意味を重ねて強調した言葉と言えます。
例文:彼女は才能があるだけでなく、現代的なセンスも兼ね備えていて、職人としての将来を嘱望されている。
「有望」
「有望(ゆうぼう)」の意味は、「将来に望みの多いこと。見込みのあること」です。「前途有望(将来成功する見込みがあること)」「有望視(将来に望みがあるとみなされること)」など「有望」を使ったフレーズは多く存在します。
人物に対して使われるケースが多く、たとえば「彼は監督から有望視されている」「彼女は前途有望な人物だ」といった文章は「期待」に置き換えても違和感を感じないでしょう。一方、投資分野では「有望株」や「有望銘柄」といった言葉も見られます。
例文:強豪チームでの彼の活躍ぶりを見ていて、改めて将来有望な選手だと感じた。
「期待」の英語表現
「期待」を表す英語で代表的なのは、「expectation」です。「予期」「予想」といった和訳が当てられる場合もあります。
【例文】
- We have high expectations of her.(訳:彼女には大いに期待をかけている。)
- I'll work hard to meet your expectations.(訳:ご期待に添えるよう尽力いたします。)